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Oi! do ブラジル—リオデジャネイロから徒然なるままに
2005年9月 海外駐在員の宿命的お仕事

ブラジル現地報告

ブラジル

海外派遣員 近田 亮平
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2005年9月
8月と9月は日本とかの大学は夏休み。ということで、リオをご訪問される海外からのお客さんが結構いて、そのアテンドに大活躍(?)。まずは(なぜか)メキシコ人の友人研究者に始まり、大学の先生方が次々とリオをご訪問。中には全く面識のない方まで・・・(汗)。先月から合わせると8組もの方々をご案内し、まさに千客万来といったところ。でもこのおかげで、リオに赴任してから実は1度も行っていなかったコルコバードの丘(キリスト像があるところ)やPão de Açúcar(絵葉書によく登場する海岸に面した2つコブの岩山)に行ったり。または、これまた実は初めてブラジルでサンバ・ショーを観に行ったり。と、結構リオを観光できちゃったりして(笑)。

あと、これらリオ訪問のお客さんとは別の話になるが、海外駐在員ならではといった仕事をもう少し紹介すると。以前から受入機関(IPEA)とアジ研の間で研究に関する協定を結ぼうという話が進んでいて、(私がプッシュした面もあり)この仲介役を仰せつかっていたり。かたや、アジ研の同僚たちが近々調査のため初めてブラジルを訪れることから、そのお手伝い役を仰せつかってみたり。

もちろん、これらの業務は海外にいる者の重要なお務めであり、学ぶこともたくさんある。また、自分の研究にとっても、これらの業務に携われたからこそ得られた情報等もあり、基本的には前向きに捉えている。海外一人暮らしの私の日常に、ちょっとした風を吹き込んでくれたし(笑)。

なのでまぁ、私がここで言わんとしていることはというと。実は仕事での海外長期滞在が初めての私。そんな私が「こういうのが海外に駐在している者の"宿命的お仕事"なんだなぁ」と身を持って、でもあくまで"客観的に"感じたということ。〔注〕決してグチっているわけではないので、何卒ご承知おきのほどを・・・(汗&笑)。

あと、私の今月の生活状況報告としての話題をもうひとつ。以前、カウンター・パートの一人がIPEAを急に辞めてしまったという話をしたが、今回もまた同じようなことが・・・(涙)。前回IPEAを辞めた人(ここでは仮に"A氏"と呼ぶことにしよう)といつも共同で研究をしていて、私が公私共にお世話になっていたIPEAの別の研究者(同様に"B氏")が、これまた突然IPEAを辞めてしまった。

A氏&B氏ともに、ブラジル赴任前からの知り合い。赴任前から、私が調査等でブラジルに来たときにお世話になったり、彼らが日本に行ったときにお世話したり、という関係。今回の私のブラジル滞在に関しても、彼ら(特にA氏)がIPEAにいるからということで、IPEAに(というかA氏に)私の受け入れをお願いした次第。なので、私としては特にIPEAでの研究面等でA氏&B氏を頼りにしていたのであるが・・・。私の正式なカウンター・パートはIPEAの所長さんなので、ブラジル滞在自体に問題は生じない。でも、所長さんがいるIPEAの本部はリオではなくてブラジリア。遠く離れた本部ヘッドの所長さんに、リオのIPEAでのこととかをこまめに訊くわけにもいかないし・・・。

IPEAの研究者はこんなに出入りが激しいのかと思い、訊いてみると「こういうことは稀」とのこと。同じ部門にいる人が、今回のように立て続けに他の機関に移っていくことはあまりないらしい。でも、何も私が一番頼りにしてる人たちが出て行かなくてもいいのに、と思ってしまうのだが・・・(汗&涙)。

まあ、最近A氏とB氏の研究プロジェクトにも入れてもらい、今後も研究面でいろいろとアドバイスをいただけるとは思うし、彼らとのコンタクトがなくなるわけではない。しかし、私の職場であるIPEAには、彼らのように頼れる存在の人は、正直言って今のところいない・・・。今まで進めてきたIPEAとアジ研の協定も、これからが本当の意味で動き出すところなのに・・・。

私の方が過度の期待や甘え(?)を抱いていたのかもしれないし、職場を変えるのはご本人の都合なので、私がどうこう言える立場ではないのはわかる。ただ、せめて私の受入機関でカウンター・パート(的存在)であり、その機関を辞めるのであれば、前もって私に一言連絡してくれるか(今回は第3者からB氏が辞める情報を入手)、「IPEAのことは、この人に相談しなさい」くらいのお言葉があってもいいのでは、と思ってしまったりもするのだが・・・。その一方で、こう考える私がいけないのかなぁ、とも思ったり・・・。

でも結論としては、私が研究者として"エンパワーメント"すればいい話。今の状況にめげずに頑張らねば!と自分を鼓舞してみたり。しかし、今までは大学院やA氏との関係からIPEAよりもIBGEへのコミットが多かったりして、実はIPEAの内部に関してよくわかっていないという状況。これから先、研究を深めるための人脈構築を何とかしなければ。しかし今回の件、何か急に足元のはしごをはずされた感じで、ちょっとがっかり&ブルーな気分になってしまった私・・・(哀)。2度あることは3度あるってことにならなきゃいいけど・・・。

あと、今月から受講する予定だったIBGEの短期集中講座は、IBGEのストライキの影響で開始時期が10月半ばへと延期。ただ、これだけで終わらないのがブラジル(?)。ストライキが大好きなブラジルの労働者の皆さんのおかげで、何と講座の開始は来年の3月へと2度延期されることに(要は年末年始とカーニバルの後ってこと)。こちらの方も2度あることは3度あるってことにならなきゃいいけど・・・。

今月のブラジル
経済

9月の貿易収支は、輸出額が前月比▲6.3%と減少したものの、前年同月比では19.2%の増加で4ヶ月連続U$100億を突破し、9月としては過去最高のU$106.35億を記録した。輸入額も前月比▲17.8%と減少したが、前年同月比では9.7%の増加で5ヶ月連続U$60億を超え、輸出額同様に9月の数値としては過去最高のU$63.06億を記録した。この結果、貿易収支の黒字額はU$43.29億となり、前月比18.0%、前年同月比36.5%の増加となった。また、今年はじめからの累積額は前年と比べ、輸出が23.4%、輸入が19.6%、貿易収支黒字が30.3%の増加となっている。後述するような為替相場における急激なドル安レアル高傾向にも関わらず、輸出は伸びており、輸入と合わせた貿易総額は9月としての過去最高であるU$169.41億を記録した。このように貿易収支を見る限り、依然としてブラジル経済は好調であるといえる。

今月の為替相場は先月までのドル安レアル高傾向が更に強まり、今月を通して一方的にレアルが買われる展開となった。そして、U$=R$2.21台(買値)を記録した2001年5月4日に次ぐ、U$=R$2.2214(同)のレアル高で今月の取引を終えた(グラフ1参照)。また、株式市場も好調で、サンパウロのBovespa指数はこの3ヶ月で約30%の上昇を記録した(グラフ2参照)。このように、今月はまさに"ブラジル買い"傾向が更に強まった月であったといえる。各国の投資リスクを示す指標であるカントリー・リスクも継続的に低下し、月末の30日には今年で最も低い数値となる344を記録している(グラフ3参照)。
グラフ1 レアル対U$為替相場の推移:2001年5月以降
(出所)ブラジル中央銀行

グラフ2 サンパウロ株式市場(Bovespa指数)の推移:2005年7月~
(出所)サンパウロ株式市場

グラフ3 カントリー・リスクの推移:2005年
(出所)J. P. Morgan

また、今月発表された8月のIPCA(広範囲消費者物価指数)は0.17%となり、▲0.02→0.25%と上昇した7月から再び下がり、ルーラ政権発足以来3番目の低い数値となった。この結果、年初からの累計値は昨年同月時点の5.14%を下回る3.59%となった。この主な要因としては、最近の中銀による高金利政策を挙げることができる。また内訳別では、7月に上昇した電話料金及び燃料の価格が下がったことに加え、3ヶ月連続で主要食料品価格がマイナスを記録したことが影響した。

このIPCAをはじめとする物価の安定とインフレ懸念の後退を受け、昨年の9月以来、断続的に引き上げられてきたSelic金利(短期金利誘導目標)は、今月1年ぶりに19.75%→19.50%へと0.25%ポイント引き下げられた(グラフ4参照)。しかし、最近発表されている経済指標の多くがブラジル経済の好調さを表すものであるにも関わらず、引き下げのタイミングが遅かったことや、今回の引き下げ幅が小幅なものに留まったことなどに対して、経済界や労働組合から不満が相次いだ。
グラフ4 Selic金利の推移:2003年以降
(出所)ブラジル中央銀行

政治

ルーラ大統領は9月7日の独立記念日に国民向けにテレビ演説を行い、政治危機克服への政府の取り組みに対する理解と支持を再度訴えたが、国内政治の混乱は依然として続いている。しかも、今月はPT関連の汚職疑惑に加え、また新たな汚職疑惑が発覚することになった。ブラジルではカーニバルの終わる水曜日を"灰の水曜日"と呼ぶが、今月はブラジルの政治にとって、まさに"灰の水曜日"が続いた月となった。

まずは14日の水曜日。郵便公社汚職疑惑事件やPTによる議員買収及び選挙不正資金疑惑事件を暴露したJeffersonが、国会倫理委員会での投票の結果、議員権を剥奪された。この処分は、今月に入りCPI(議会調査委員会)が提出した汚職疑惑事件の報告書に基づいて行われたものである。しかし、Jeffersonは国会議員の刑事免責権をたてに最高裁へ異議申し立てを行っており、事態が決着するまでにはまだ時間がかかるものと思われる。

また、収賄疑惑のあるそのほかの下院議員も、Jefferson同様に議員権剥奪を決める国会倫理委員会での審判か、または汚職事件への関与を認めた上での辞職(議員権は失わず)かの選択を迫られることになった。その結果、先月既に辞職していたPL(自由党)党首のValdemar Netoに続き、Carlos Rodrigues(PL)が下院議員を辞職することになった。しかし、Dirceu元文民官を含むPT(労働者党)7名、PP(進歩党)4名、PL2名、PMDB(ブラジル民主運動党)1名、PFL(自由戦線党)1名、PTB(ブラジル労働党)1名の合計16名の下院議員は、CPIの報告書に対して自らを弁護する権利が十分に保障されていないとの異議申し立てを最高裁に行った。そして、この申し立てが認められたため、汚職事件への関与で告発されている議員の処分決定プロセスは一旦中断され、疑惑議員による自己弁護と事件への関与事実を追及するCPIや野党議員との攻防が、連日のように繰り広げられることになった。

次は21日の水曜日。Severino下院議長が自らの汚職疑惑により、議長職を辞任する事態となった。この疑惑は、Severinoが下院議会内のレストランから、議会内でのレストラン運営権の継続と引き換えに、月々R$10,000(約U$4,300)を受け取っていたというもの。この月々の賄賂額が、PTによる議員買収疑惑の賄賂"mensalão"(「月々の大金」という意味)の金額R$30,000よりも小額であることから、"mensalinho"(「月々の小金」という意味)と呼ばれている。汚職疑惑発覚当初、Severino本人は収賄の事実を否定したものの、後に関係者から賄賂に使われた小切手のコピーが提示され、その実態が白日の下に晒されることとなった。なお、下院議長が汚職疑惑によって辞任に追い込まれたのは、ブラジル史上初である。

Severinoは、社会におけるパトロン-クライアント関係が依然として強いといわれる北東部のペルナンブコ州出身で、今年2月の下院議長就任以降、周囲の反対を押し切る形で下院議員の給与引き上げや試験なしでのネポチズム的公務員採用を強行するなど、その政治姿勢に対しては疑問や反対の声がブラジル国内でも多かった。今回の汚職疑惑による下院議長辞任により、政治家としての資格を一時失うことになったが、次期選挙への出馬を既に表明しており、早くも下院議員復帰に強い意欲を燃やしている。

今回の収賄容疑によるSeverino辞任の結果、新たな下院議長を選出する選挙が28日に行われ、政府の連立与党の一つであるPC do B(ブラジルの共産党)のAldo Rebeloが当選した。1回目の投票ではRebeloと野党候補のJosé Nonô(PFL)が全く同数の182票を獲得し決着がつかず、決選投票も258対243という大接線の末での選出であった。現時点ではRebelo下院議長選出の影響を見極めるのは難しいが、連立与党出身の下院議長の選出は、ルーラ政権にとって今後の議会での法案成立交渉などでプラスになると考えられている。しかし、政治の勢力図が大きく変わるわけではなく、経済へのインパクトもほとんどないであろうとの見方が多い。

また、今回の汚職疑惑事件により党内の改革を迫られたPTは、18日に1回目の党首選挙を行った。その結果、Ricardo Berzoini下院議員(PT事務局長)と前ポルトアレグレ市市長のRaul Pontが、10月9日に予定されている決選投票に臨むことになった。Berzoiniはルーラ政権で社会保障大臣と労働雇用大臣を歴任し、党内主流派の支持により1回目の投票で最大得票数を獲得しているが、第2位となったPontも既に党内のその他の派閥の支持を取り付けており、決選投票は接戦が予想されている。なお、汚職疑惑発覚後に党首に就任していたGenro(元教育大臣)は、Dirceu元文民官がPTに留まり続けようとしているなど、PT内部の改革が進まないことを不満に、今回の党首選挙前に出馬しないことを表明していた。

更に、現在、連邦レベルで起きている政治危機とは異なるが、Maluf元サンパウロ市長(1993-96年)が過去の汚職疑惑で逮捕されるという事件が起きた。この汚職疑惑は、1987~96年にかけて実施されたサンパウロ市の道路整備などの公共事業に絡み、Maluf本人とその家族がU$5億にも上る不正な資金を流用していた疑いが持たれているもので、Malufと長男のFlávioが逮捕されることになった。Malufは逮捕後、刑務所に留置されていたが、健康上の理由から病院に移されることになった。

Malufはサンパウロ州の裕福な家庭出身で、自らの建設業界との太いつながりをもとに政治家として頭角を現したが、以前から公共事業に絡む汚職疑惑が何度も取りざたされていた。Malufに関しては「盗むがやることはやる」という意味の"Malfismo"(マルーフィ主義)という言葉があるほど、ブラジルでは有名なポピュリスト的政治家の一人である。

社会

今月8日、ブラジルの大西洋側からボリビアを経由してペルーの太平洋沿岸までを結ぶInteroceânica道路の着工式が、ルーラ大統領、トレド・ペルー大統領、ロドリゲス・ボリビア大統領出席のもと、ペルーのPuerto Maldonadoで行われた。このInteroceânica道路は総距離2600キロに及び、ブラジル側の1591 キロは既に完成していることから、残りのペルー側1009 キロを建設するもの。総工費はU$8億1000万で、4年後の完成までに7万人もの雇用を創出するとされている。Interoceânica道路の完成は、近年輸出産業が成長しつつあるブラジルにとって、近隣諸国との貿易振興だけでなく、経済成長著しい中国をはじめとするアジア諸国への輸出路を確保することになるため、大きな期待が寄せられている。また、北米とのFTAA交渉が暗礁に乗り上げたかたちとなる中、同道路はメルコスルだけでなく南米全体の地域統合推進を象徴するものであり、式典に3カ国の大統領が出席するなど、その政治的な重要性も注目されている。

今月10日、サンパウロ市内において、日本でのデカセギから帰国したばかりの日系人家族を狙った強盗殺人事件が発生した。事件は、日系人家族の知り合いであった2人組の犯人が、老人と子供を含む家族5人を拷問のうえ殺害し、彼らが日本から持ち帰っていた資金の一部を強奪するという極めて悪質な犯行であった。ブラジルではデカセギから帰国直後の日系人を狙った犯罪が多発しているが、これほどまでに残酷な事件は珍しく、現地のマスコミでも大きく取り上げられた。

また、ブラジルの汚職が政治の世界だけには留まらないという事件が起きた。しかもこの事件は、ブラジルの国民的スポーツであるサッカーの主審が賄賂を受け取り、試合結果を操作していたというものであり、国民に大きな衝撃を与えた。このサッカー汚職疑惑事件は、FIFA(国際サッカー連盟)認定の資格を持つ10人のブラジル人審判の一人Edilson Carvalhoが、自らが主審を務めた今年1月以降のブラジルの国内試合において、1試合につきR$10,000~15,000(約U$4,300~6,500)もの賄賂をサンパウロの企業家や賭博業者から受け取っていたというもの。これらの試合の中には、年末に日本で開催される世界クラブ・チームの王者決定戦トヨタ・カップの南米予選であるリベルタドーレス杯も含まれている。ブラジルではサッカーの試合結果を予測するサッカーくじが非常に人気であり、今回の主審の不正審判により、関係者たちは過去半年でR$1百万(約U$43万)以上もの不当な利益を上げたとされている。

更にこの他にも、リオを舞台とした連邦警察などの政府機関、企業家、麻薬売買組織間の癒着疑惑事件が発覚している。このように、最近の好調な経済から今後の発展に期待を抱かせるブラジルであるが、残念ながら社会構造は依然として旧態的な"ブラジル的"要素が根強く蔓延っていることを実感させられざるを得ないことが多い。そしてこれが、今のブラジルの"現実の姿"であるといえるのかもしれない。

今月の独り言— ブラジル政治の"民主主義"

ブラジルでは1964年から85年まで軍事政権が権力を握り、制度的また実質的にも政治における民主主義は後退した。しかし、軍事政権の末期に"abertura"(「開放」という意味)といわれる政治の自由化が進み、82年に政党改革法が制定され17年ぶりに直接選挙が復活。85年にはついに民政移管が実現した。そして、89年に大統領直接選挙が実施されたのであるが、選挙で当選したネーヴェスが就任直前に突如病死してしまい、副大統領のサルネイが大統領に就任。つまり、「国民が選んだ大統領」の誕生は実現しなかった。90年に大統領に就任したコーロルは「国民が選んだ大統領」であったが、92年に自らの汚職事件で弾劾されるという事態に・・・。コーロルの弾劾で大統領に"自動的に"就任したイタマルも、もちろん「国民が選んだ大統領」ではなかった。

このように紆余曲折が多かった近年のブラジルの政治であるが、カルドーゾ(1995~2002年)が自由選挙を通じて大統領に連続して再選。2003年にはカルドーゾからルーラへと直接選挙で「国民が選んだ大統領」同士の政権移譲が、実に1961年以来42年ぶりに実現した。つまり、ブラジルの政治では90年代半ば以降になって、制度的にも実質的にも民主主義が定着してきたといえる。が、その歴史はまだ非常に浅いためか、はたまたこれもブラジルの国民性なのか、"えっ??"と思えるようなことがしばしばあったりして・・・。

例えば、今回の一連の汚職事件に関していうと、Jefferson氏。彼は汚職事件の張本人の一人であるにも関わらず、(公になった汚職の中では?)前代未聞とも言われる今回の事件の実態を暴いたことから、国民の中には「Jeffersonが一番誠実だ」との声も聞かれる状況・・・。そして、これに気を良くしたのかJefferson氏、自らの汚職事件が捜査中であるにも関わらず、大学で講演を行ったり、テレビ番組に出演したりして、しゃべりにしゃべりまくる。おまけに、汚職事件発覚後に党首を辞任したPTBのテレビCMにまで出演したり(彼をCMに起用する政党側の考えが理解できない・・・)と、かなりのご活躍ぶり。また、本人の国会での証人喚問や議員権剥奪の際などでは、PTの一大汚職事件を暴いた自分の"功績"を声高々に称え、派手なジェスチャーをふんだんに交えながら、PTやルーラ政権を激しく攻撃。まるで本人の罪はどこへやら、といった感じ・・・。

また、更に理解できないのが、このJeffersonに対して、まるで彼がヒーローであるかのように拍手喝采を送る人たちが結構いること。あと、一連の汚職事件に対する一般の抗議デモとかを見ても、顔を派手にペイントしたり仮装してみたり(もちろん全部の人ではないが)、ときには歌や音楽もあったりして。カーニバル!とまではいかないものの、何かパーティーかパレードって感じで結構楽しそうに見えてしまうのだが、こう思うのは私だけであろうか・・・。

近年、民主主義が定着傾向にあるといわれるブラジルの政治。政治において"ザ・民主主義"みたいな定番が存在するわけではないが、日本人の私にはちょっと理解し難く映る、このブラジル政治の"民主主義"・・・。



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