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ベトナムの選択

アジアの出来事

ベトナム

地域研究センター 寺本 実
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2012年2月
現体制下ベトナムの政権党であるベトナム共産党の第11回党大会が、2011年1月12~19日に開かれた。5年に1度開かれるこの党大会の場において、グエン・フー・チョン党書記長ら新たな党執行部が選出されるとともに(表1)、今後5~10年ないしそれ以降にもわたる政治・経済・対外関係に関わる基本方針が定められた。そして、5月22日に実施された第13回国会代表選挙を経て、第13期第1回国会が7月下旬~8月上旬に開催された。同会期では、チュオン・タン・サン国家主席、グエン・タン・ズン首相、グエン・シン・フン国会議長など、国家機構、政府、国会をそれ以降5年間にわたってリードする立場に就く指導者の人事が正式に決められている(表2)。

第11回党大会では、2020年までに基本的に近代志向の工業国になるとの従来からの目標が堅持されるとともに、21世紀半ばまでに社会主義志向に従った近代的工業国になるとの目標が提示された。当局は、これらの目標達成のための土台作りを行う時期として、現段階を位置付けている。そうした文脈のなか、同党大会では今後の基本方針について以下の方針が決められた。(1)従来の目標、政治的基本姿勢の堅持、(2)工業国ビジョンの具体化、(3)経済成長モデルの転換、(4)私営企業家の試験的な入党許可、(5)「新農村建設」の推進、(6)行革推進 (特に行政手続改革)、(7)「社会保障」の強化、(8)国防・外交政策の強化、(9)ASEANに対するコミットメントの強化、などである。

以上のような問題について考察することを主眼として、アジア経済研究所では機動研究会(2011年度)という形式の下、「ベトナムの選択—2020年の工業国入りを目指して」研究会が組織された。その成果は『情勢分析リポートNo.17 転換期のベトナム—第11回党大会、工業国への新たな選択—』として刊行されている。

[付記]上記の内容は執筆者個人に属し、アジア経済研究所の公式見解を示すものではありません。


表1 新しい党役職従事者の顔ぶれ
名前 生年 出身 学歴
党政治局員
Nguyen Phu Trong(グエン・フー・チョン) 1944年 ハノイ市 博士
Truong Tan  Sang(チュオン・タン・サン) 1949年 ロンアン省 学士
Phung Quang Thanh(フン・クアン・タイン) 1949年 ハノイ市 学士
Nguyen Tan Dung(グエン・タン・ズン) 1949年 カマウ省 学士
Nguyen Sinh Hung(グエン・シン・フン) 1946年 ゲアン省 博士
Le Hong Anh(レー・ホン・アイン) 1949年 キエンザン省 学士
Le Thanh Hai(レー・タイン・ハーイ) 1950年 ティエンザン省 学士
To Huy Rua(トー・フイ・ズア) 1947年 タインホア省 博士
Pham Quang Nghi(ファム・クアン・ギ) 1949年 タインホア省 博士
Tran Dai Quang(チャン・ダイ・クアン) 1956年 ニンビン省 博士
Tong Thi Phong(トン・ティ・フォン) 1954年 ソンラー省 学士
Ngo Van Du(ゴー・ヴァン・ズ) 1947年 ヴィンフック省 学士
Dinh The Huynh(ディン・テー・フイン) 1953年 ナムディン省 博士
Nguyen Xuan Phuc(グエン・スアン・フック) 1954年 クアンナム省 学士
党書記局員
Nguyen Phu Trong(グエン・フー・チョン) 1944年 ハノイ市 博士
Truong Tan Sang(チュオン・タン・サン) 1949年 ロンアン省 学士
Le Hong Anh(レー・ホン・アイン) 1949年 キエンザン省 学士
To Huy Rua(トー・フイ・ズア) 1947年 タインホア省 博士
Ngo Van Du(ゴー・ヴァン・ズ) 1947年 ヴィンフック省 学士
Dinh The Huynh(ディン・テー・フイン) 1953年 ナムディン省 博士
Ngo Xuan Lich(ゴー・スアン・リック) 1954年 ハーナム省 学士
Truong Hoa Binh(チュオン・ホア・ビン) 1955年 ロンアン省 修士
Ha Thi Khiet(ハー・ティ・キェット) 1950年 トゥエンクアン省 学士
Nguyen Thi Kim Ngan(グエン・ティ・キム・ガン) 1954年 ベンチェ省 修士
(出所)各種資料に基づき、筆者作成。
(注)本文の文脈に従い、記載順は党大会時資料の順じて記す。


表2 新しい国家機構、国会、政府役職従事者の顔ぶれ
役職 名前 生年 出身 教育レベル
国家機構
国家主席 ◇Truong Tan Sang(チュオン・タン・サン) 1949年 ロンアン省 学士
副国家主席 Nguyen Thi Doan(グエン・ティ・ゾアン)
1951年 ハナム省 博士
最高人民裁判所長官 Truong Hoa Binh(チュオン・ホア・ビン) 1955年 ロンアン省 修士
最高人民検察院院長 ◇Nguyen Hoa Binh(グエン・ホア・ビン) 1958年 クアンガイ省 副教授、博士
国会
国会議長 ◇Nguyen Sinh Hung(グエン・シン・フン) 1946年 ゲアン省 博士
国会副議長 Tong Thi Phong(トン・ティ・フォン) 1954年 ソンラ省 学士
国会副議長 ◇Nguyen Thi Kim Ngan(グエン・ティ・キム・ガン) 1954年 ベンチェ省 修士
国会副議長 Uong Chu Luu(ウォン・チュー・リュウ) 1955年 ハティン省 博士
国会副議長 Huynh Ngoc Son(フイン・ゴック・ソン) 1951年 ダナン市 学士
政府
首相         Nguyen Tan Dung(グエン・タン・ズン) 1949年 カマウ省 学士
◇副首相         Nguyen Xuan Phuc(グエン・スアン・フック) 1954年 クアンナム省 学士
副首相 Hoang Trung Hai(ホアン・チュン・ハーイ)  1959年 タイビン省 修士
副首相 Nguyen Thien Nhan(グエン・ティエン・ニャン) 1953年 チャーヴィン省 教授、博士
◇副首相         Vu Van Ninh(ヴ・ヴァン・ニン) 1955年 ナムディン省 修士
国防相 Phung Quang Thanh(フン・クアン・タイン) 1949年 ハノイ市 学士
◇公安相 Tran Dai Quang(チャン・ダイ・クアン) 1956年 ニンビン省 教授、博士
◇文化・スポーツ・観光相 Hoang Tuan Anh(ホアン・トゥアン・アイン) 1952年 ダナン市 学士、技師
◇内務相 Nguyen Thai Binh(グエン・ターイ・ビン) 1954年 チャーヴィン省 学士
◇国家銀行総裁     Nguyen Van Binh(グエン・ヴァン・ビン) 1961年 フートォ省 博士
◇労働・傷病兵・社会問題相 Pham Thi Hai Chuyen(ファム・ティ・ハーイ・チュエン) 1952年 バクザン省 技師
司法相 Ha Hung Cuong(ハー・フン・クォン) 1953年 ヴィンフック省 副教授-博士
◇建設相        Trinh Dinh Dung(チン・ディン・ズン) 1956年 ヴィンフック省 修士
◇政府官房長官 Vu Duc Dam(ヴ・ドゥック・ダム) 1963年 ハイズオン省 博士
工商相 Vu Huy Hoang(ヴ・フイ・ホアン) 1953年 ハイフォン省 博士
◇財政相        Vuong Dinh Hue(ヴォン・ディン・フエ) 1957年 ゲアン省 教授-博士
教育・訓練相       Pham Vu Luan(ファム・ヴ・ルアン) 1955年 ハノイ市 教授、博士
◇外務相          Pham Binh Minh(ファム・ビン・ミン) 1959年 ナムディン省 修士
農業・農村開発相   Cao Duc Phat(カオ・ドゥック・ファット) 1956年 ナムディン省 博士
民族委員会委員長    Giang Seo Phu(ザン・セォ・フー) 1951年 ラオカイ省 学士
◇資源・環境相     Nguyen Minh Quang(グエン・ミン・クアン) 1953年 ハティン省 技師
◇科学・技術相      Nguyen Quan(グエン・クアン) 1955年 タイビン省 博士
◇情報・通信相    Nguyen Bac Son(グエン・バック・ソン) 1953年 ハノイ市 博士
◇交通・運輸相     Dinh La Thang(ディン・ラー・タイン) 1960年 ナムディン省 博士
◇保健相       Nguyen Thi Kim Tien(グエン・ティ・キム・ティエン) 1959年 ハティン省 副教授、博士
◇政府監査院院長 Huynh Phong Tranh(フイン・フォン・チャイン) 1955年 ハウザン省 学士
◇計画・投資相     Bui Quang Vinh(ブイ・クアン・ヴィン) 1953年 ハノイ市 学士
(出所)各種資料に基づき、筆者作成。