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インドの株価動向-国際的な株価連動性の高まりのなかで-

アジアの出来事

インド

地域研究センター 井上 武
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インドの株価動向は2003年以降、一貫した上昇トレンドにある。インドの代表的な株価指数であるムンバイ証券取引所のSENSEX30は過去4年間で約4倍の水準に達し、7月24日には一時、15868.9ポイントの史上最高値を記録した。しかし7月27日、SENSEX30は前日終値に比べて、541.74ポイント下落して取引を終えた。このような株価指数の下落は8月21日まで断続的に続き、下落率はピーク時で11%超に達した。

株価指数の対象企業の業績やマクロ経済のファンダメンタルズに大きな変化が見られないなか、今回のインドにおける株価下落はアメリカの「サブプライムローン」問題に起因する「世界同時株安」の性格を持つものと考えられる。このようにインドの株価水準が外国市場の影響を受けて大幅に変動するのは今回が初めてではない。最近では今年2月末に発生した「世界同時株安」の際にもインドの株価指数はその影響を受け、調整を余儀なくされた。

10年前の1997年7月に東南アジアで発生したアジア通貨・金融危機の際、インドはこの隣接地域における経済危機から大きな影響を受けることはなかった。しかし高成長を続ける新興市場として、ポートフォリオ投資を中心に外国からの資本流入が格段に増加した今、インドはアジアNIESや東南アジア諸国と同様、国際的な金融統合過程に組み込まれ、アメリカを始めとする諸外国の金融・資本市場との相互依存関係を強めつつある。

一般に、株価は企業業績や景気変動などを反映して変動すると考えられているが、世界経済の緊密化と国境を越えた資本移動の増加を背景に、国際的な株価の連動性は今後一層高まることが予想される。アジアの主要な株式市場に成長したインドもその例外ではなく、同国の株価動向を見る上で、国内実体経済とともに、世界的な株式市場の動きについても注視する必要がある。
2007年8月