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ジャワ島中部地震からの復興と政府の対応

アジアの出来事

インドネシア

地域研究センター 川村 晃一
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5月27日の早朝にジャワ島中部で発生した大地震から4ヵ月が経った。体に感じるような大きな余震もほとんどなくなり、住民の生活は徐々に落ち着きを取り戻しつつあるが、いまだテント暮らしを続ける被災者も多く、現地では復興に向けた取り組みが続けられている。ここでは、ジャワ島中部地震の復興に向けた政府の取り組みとその問題点を中心に報告する。

地震の発生当初、インドネシア政府は被災者の救援に迅速に対応する姿勢を見せた。ユドヨノ大統領は、地震発生数時間後には現地入りして災害対策の陣頭指揮を執り、初動対応を見守った。政府は、国家災害対策調整庁(Bakornas PBP)が中心となって緊急支援を始めた。

被災者に対する金銭的支援も早い段階で決定され、5月29日にはカラ副大統領が、米の配給および食糧・衣料など生活必需品の購入資金の支給をおこなうと発表した。これと同時に、家屋の被害に対しても、住宅建設を補助する資金が提供されることが発表された。

このように、2004年12月に発生したスマトラ沖大地震・津波の経験があったこともあり、政府の初動対応は非常に迅速だった。しかしながら、その実行過程ではさまざまな問題が噴出し、被災者からは不満の声が多く上がっている。当初6月から支給が開始される予定だった生活必需品購入資金の支給は、7月中旬になっても支給されていない地域が存在した。また、中央政府はこの補助金を家屋の被害が大きい避難民にのみ支給する方針であったが、現場では家屋の被害程度の判定に対する不満や、支給対象者と非対象者間での不公平感が噴出し、地域によっては被災者全員に補助金が支給されたところもあった。そのため、配分を終える前に資金が不足する事態も発生した。

7月から開始される予定だった住宅復興資金の補助も、その対象者をどうするかという問題に直面して、いつ支給が開始されるか目途がたっていない。中央政府は全半壊した家屋の住民および貧困層を優先的な支給対象とする方針を示しているが、共同体内で不公平感が広がることを嫌う現場は各家庭に平等に配分するよう主張している。その狭間となった地方政府は、配分方法は現場の決定に任せるとして主体的な判断を投げてしまっている状態である。こうした政府の遅々とした対応に住民は不信感と諦めの感情を募らせている。

10月の雨期入りを目前にして、住宅建設の遅れの問題は深刻である。地域によっては、援助団体やNGOなどの支援をうけて竹製の仮設住宅の建設が進んでいるが、被災地全体をカバーできるわけでもなく、行政による対応は必須である。特に、被災者の健康と衛生の観点からも、問題の早急な解決が望まれる。
2006年9月