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調査研究

研究会一覧 2011年度

2011年度 研究テーマ:1-15
農閑期におけるマイクロファイナンスの労働移動阻害効果:バングラデシュにおける実験経済学的実証分析

概要

開発途上国の貧困削減について、マイクロファイナンスは大きな意味を持ちつつある。マイクロファイナンスを提供している機関(microfinance institutions: MFIs)は、通常の銀行が行っている金融にアクセスできない貧困層に非公式金融手段を与えている。しかしながら、典型的なマイクロファイナンスがもたらす副作用については、大きな議論になっていない。
典型的なマイクロファイナンスは、週毎の集会参加とその際に行われる利子・原本返済が義務づけられており、マイクロファイナンスの借り手が、短期的にでさえ、他の地域に雇用機会を見つけて労働移動することを妨げている。特に季節的に洪水に襲われるようなバングラデシュの北部地域では、洪水の時期には収入を得る機会がないため、一般に住民は他地域に移動して所得を得たいと考えるのであるが、マイクロファイナンスを得ていると、毎週集会に参加しなければならないため、他地域での収入向上の機会をあきらめざるを得ない。このような典型的なマイクロファイナンスの副作用はこれまで適切に評価されていなかった。本研究会では、地域の文脈に合わせてマイクロファイナンスの制度を変更する可能性と、その住民の生活に与える効果を調査しようと試みるものである。
この問題に取り組むために、本研究会においては、バングラデシュの北部の貧困地域において、季節的な労働移動を許すようなマイクロファイナンスの新しい制度(例えば、集会の頻度と利子・元本返済の頻度を減らす)を適用する実験を行い、その効果を統計学的に検討する。この調査により、より柔軟なマイクロファイナンスの制度が意義を持つと確認されたら、より多くのマイクロファイナンス実施機関が、季節的洪水に襲われやすい地域で、このような柔軟な融資システムを採用することが期待される。

期間

2011年4月 - 2013年2月

研究会メンバー

[ 主査 ] ションチョイ アブー
[ 幹事 ] 山形 辰史
[ 委員 ] 黒崎卓 (一橋大学経済研究所教授)
[ 委員 ] 塚田 和也

研究成果

研究会情報