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調査研究

研究会一覧 2007年度

2007年度 研究テーマ:4-36
太平洋島嶼諸国における知と権力

概要

21世紀に入り、世界は本格的なコンピュータ・エイジ、インターネット社会に突入した。太平洋にも、その世界的潮流は押し寄せつつある。パプアニューギニアでもモバイル・フォン使用者が14万人に達し、1日に80万通話が交わされるという状況となっている。

こうしたモバイル・フォン使用者は都市に集中し、固定電話に必要なインフラストラクチャーを必要としないことから、都市人口の5人に1人という普及率となっている。また、トンガ王国における民主化運動にはインターネットや電子メールが重要な役割を果たしている。このように、太平洋島嶼諸国においても(パプアニューギニアのような最貧国においてすら)とりわけ都市を中心に情報環境が急激に変化しつつあるのである。

しかし、こうした電子的情報・通信媒体にアクセスできるのは中・高等教育を受けた人間に限られる。彼らは国内はもとより海外の情報源にも自由に接近しうるのである。加えて、太平洋島嶼諸国においては富と権力へ至るには英語と英語の中に内包されている知識が決定的な鍵を握っている。その意味でも、英語が第一言語となる都市高教育エリートの子弟は圧倒的に有利である。

他方で、村落に生まれた子弟は多くの者が自分が生まれた村や氏族の中で一生を送ることになる。彼らは伝統的知識を吸収して成長してゆくが伝統的知識は資本主義経済には接続しない。

こうして、太平洋島嶼諸国においては一国内にその知的背景によって2つの人間類型が出現している。1つは、部族的出自から切り離され、国内はもとより海外にもネットワークを持つ人間、今1つは、部族的出自の中に固定され、伝統的な村落社会で一生を送る人間である。すなわち、ポストモダン的コスモポリタンと伝統的部族民とである。

期間

2007年4月 - 2008年3月

主査名

研究会メンバー

塩田 光喜
大谷 裕文 (西南学院大学教授)
風間 計博 (筑波大学助教授)
棚橋 訓 (お茶の水女子大学教授)
則竹 賢 (関西大学非常勤講師)
石森 大知 (日本学術振興会特別研究員)
馬場 淳 (首都大学東京大学院博士課程)

研究成果

ミッション区分