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調査研究

研究会一覧 2006年度

2006年度 研究テーマ:4-03
イランの不動産取引をめぐる法と慣行

概要

イランをはじめとする中東地域では、近代化期に現行法体系における構成要素のかなりの部分を欧州から移入し、伝統法との整合性を追求しつつ発展させてきた。不動産取引の分野でも、近代法の導入以前には基本的にイスラーム法に基づく制度が機能していたが、世俗法導入とヨーロッパ式法制度整備の時期を経て、二つの法体系が併存発展する過程で次第に変化・発展してきたと考えられている。こうした法制度上の変化は、「所有」の概念をはじめとして、不動産に対する諸々の伝統的法概念にも大きな影響を与えるものであった。法概念が地域的・歴史的特性をもって変化することは、一般にしばしば指摘されるところである(例えば土地に対して、その用益権のみが私権として認められた時代から、次第に今日的な意味における所有権が確立するなど)。

本研究会では、不動産取引をめぐる法概念の変遷を明らかにするために、現行の法制度を検討するだけではなく、その歴史的経緯にも注目したい。19世紀テヘランにおける不動産取引(特に宗教寄進財を中心とした)の事例研究を通じて、法制度の近代化以前の不動産取引の実態を一定程度まで明らかにする。また現代テヘランにおける商業不動産の取引慣行についての事例研究・およびイランの商事賃貸借法制度の歴史的変遷の検討を通じ、英米法の法概念導入が不動産取引慣行に与えた影響を検討する。さらにエジプト民法における先買権の事例研究を通じて中東における私的土地所有権の確立プロセスを分析する。このような、中東諸国における近代化以降の法制度史と現行法の運用実態に関する研究を通じて、イスラーム法と近代法との折衷状況を具体的に検討する。

期間

2005年4月 - 2006年10月

主査名

研究会メンバー

岩﨑 葉子
近藤 信彰 (東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教授)
堀井 聡江 (東京外国語大学非常勤講師)

研究成果

ミッション区分