調査研究
調査研究方針
基本方針
研究手法としては、アジア、中東、アフリカ、中南米など開発途上国・地域の動向と構造を現地に軸足をおいて分析する地域研究と、最先端の理論を踏まえた計量的実証分析に基づく開発研究手法の両軸で世界水準の研究を行う。これにより、研究所は、開発途上国研究をリードするとともに、政策やビジネスの基礎的材料となる付加価値の高い歴史的・構造的な分析及び計量分析等に基づく研究成果を政策立案者および産業界等に提供する。
調査研究は、(1) 政策当局の要請に基づく即応性の高い研究課題に取り組む「政策提言研究」、(2) 政策当局の持つ潜在的かつ中期的な政策ニーズ・社会的ニーズを先取りした研究課題に取り組む「政策提言に資する分析研究」、(3) 「政策提言研究の根幹をなす基礎的・総合的研究」の3つのカテゴリーに区分して実施する。また、研究所は、研究成果を共有し、国際的に議論をリードしていく観点から各国研究機関や国際機関との国際共同研究に取り組む。
上記研究活動によって生み出された研究成果および付加価値の高い知識・情報・統計データ・見方等を、政府への政策提言・政策判断の基礎材料提供、産業界・国民の途上国理解促進、学界の学術水準維持・向上等のために、(1) ポリシー・ブリーフの作成および政策担当者等へのブリーフィング活動、アジ研フォーラムの開催、(2) ウェブ発信の強化、(3) 国内外におけるシンポジウム・講演会・セミナー・ワークショップ等の開催、有識者会議及び学会等での論文発表、(4) 出版、査読付きジャーナル等を通じ世界的に情報発信する。
また研究所図書館は、開発途上国研究に関する専門図書館として、学術資料の他、各国の政府刊行物、統計書、新聞・雑誌等の多言語にわたる資料を継続的に収集、整備、提供すると共に、利用者サービスの拡充を図る。
研究所は、研究者の集積・研究蓄積と充実した研究ネットワークの維持拡大に努め、アジア等の経済連携の強化に向けた議論をリードするとともに、世界の開発途上国研究の交流プラットフォームとして、内外の研究者に政策討議を行う場を提供する。また、開発途上国に関する豊富な知見・研究成果を活かし、理論と実践能力を備えた開発専門家の育成、およびアジア地域の開発途上国の中堅行政官・研究者とのネットワークの構築を目的とした研修事業を実施する。
ニーズを踏まえた戦略的な研究事業を企画・実施し、各界に裨益する最先端の研究成果・情報を機動的に発信するため、研究マネジメント機能を強化する。加えて、調査部門、事業部門との連携強化を図り、シナジー効果をより一層高めるための取組を積極的に行う。
活動方針
研究事業としては、(1) 政策提言研究、(2) 政策提言に資する分析研究、(3) 政策提言研究の根幹をなす基礎的・総合的研究を実施し、貿易・投資のみならず、政治、社会分野など開発途上国・地域が抱える多様な分野を対象にすることで、開発途上国・地域の全体像を理解するように努める。
(1) 政策提言研究:
経済産業省など関連省庁および本部各部門との連携を図りながら、政策当局の要請に基づく即応性の高い以下を始めとする研究課題に取り組み、我が国の通商政策に寄与するとともに、相手国政府、産業界に対する経済・社会発展、ビジネス機会の創出等に関する積極的な政策提言を行う。
2012年度は新たに、国際機関と協力し付加価値貿易の考え方を普及させることを目的とした「付加価値から見た国際貿易分析研究」、ASEAN先発国や中南米諸国における「中所得国の罠」の本質と克服の方策を探る「「中所得国の罠」の本質と克服に向けた政策課題」の2テーマの研究課題に取り組む。
また、ERIA支援の一環として、ミャンマー支援プロジェクトを立ち上げ、インフラ整備や産業育成に資する研究を実施する。「アジア等研究ネットワーク構築支援(重点地域補助金)」
「ERIA・IDE・UNIDO共同研究“Green Growth in Asia”」
「中国・インドの台頭と東アジアの変容」
「中東・南アジア地域の平和システム構築」
「付加価値貿易から見た国際貿易分析研究」
「「中所得国の罠」の本質と克服への政策課題」 等(2) 政策提言に資する分析研究:
第三期中期計画の中核事業である、「アジア等の経済連携の強化に向けての貢献等」に資するために、政策当局の持つ潜在的かつ中期的な政策ニーズ・社会的ニーズを先取りした研究課題に取り組む。具体的には、第三期中期計画における重点課題として定めた以下の3つの課題について継続的に資源を投入し、調査研究を実施する。「東アジア経済圏の形成と課題」
「新興国の市場・産業分析」
「開発途上国の比較政治経済分析・国際関係」中でも、貿易投資の自由化など制度面、実体面で急速に経済統合が進む東アジアにおいて、引き続き存在する国内格差や域内格差、国際労働移動など東アジア経済圏形成に向けた諸問題と成長戦略について多角的に分析する。
さらに、開発途上国から中・高所得国へと移行する過程において直面する、環境・省エネ、社会開発、高齢化など人口動態、イノベーションなどの諸分野に関し、経済成長にとって必要な課題について重点的に取り組む。
また、中東における民主化による政治の不安定化や、テロの脅威、新興国の台頭による安全保障および国際秩序の変容など、開発途上国の政治や国際関係に重大な影響を与える問題について、問題点の整理と的確な分析を提供する。
中期計画期間中に取り組む経常分析研究として、国際産業連関分析やアジア諸国の動向分析等既存の研究プロジェクトを推進するとともに、次世代経済地理シミュレーションモデル(GSM)の構築を進め、東アジアにおける経済統合の効果分析等に積極的に活用する。また、家計の世代別消費行動を織り込み東アジアの市場予測を可能とするアジア長期経済成長のモデル分析等を実施する。
これに加え、国際機関や地方自治体等と双方の知見を活かした連携研究についても引き続き実施し、政府・産業界・学界等の各層ニーズに幅広く対応する。さらに、国内外に関心の高い緊急発生的な事態に迅速に対応する機動研究を時宜に応じて実施する。
(3) 政策提言研究の根幹をなす基礎的・総合的研究:
最新の学術研究動向の把握、産官学のニーズ把握を踏まえつつ、開発途上国・地域をめぐる現下の情勢認識に基づき、以下の2つの課題を基礎研究の優先テーマに据え、調査研究を実施する。「持続的経済発展の基盤を探る」(経済・環境)
先進国経済が不振に陥る中、開発途上国が持続的な経済発展を遂げることは世界経済にとっても重要となっている。こうした成長の持続可能性に関連して、農民や企業といった経営主体、インフラ建設や国際物流網へのアクセス、資源・環境問題への対応などの成長を支える基盤について多面的な研究を進める必要がある。
「紛争解決と安定的な政治・社会の構築に向けての展望」(政治・社会)
開発途上国には、体制の転換や社会不安の中で政治社会の安定化が大きな課題となっている国がある一方で、社会発展にともない従来と異なる問題に直面しつつある国もあり、安定的な政治・社会の構築のために多面的な研究を進める必要がある。
これらのテーマに関しては、メコン地域等今後ますます注目を集める地域や、これまで研究蓄積の乏しい国・地域も積極的に取り上げ、先駆的な研究を実施する。
2. 研究成果の発信・普及
出版・講演会・セミナー・ウェブサイト等により、政策担当者、ビジネス界、学界・有識者等、国民各層を対象に、ニーズに応じた成果の普及を図る。具体的な方針は次の通り。
(1) 前年度に引き続き、政策立案、ビジネスの企画に研究成果、研究所のリソースを反映させることを目的に、政府・主要企業の中堅幹部、メディア等の政策形成に影響力のある層を対象として、通商政策や経済協力等に関連するテーマについて、双方向で意見交換を行うアジ研フォーラムを開催するとともに、ポリシー・ブリーフの作成等に重点を置く。
(2) ウェブサイトは、時宜にあったテーマ、内容を念頭に、政策やビジネスにも役立つ視点、分析手法、付加価値の高いデータなどに重点を置きつつ強化してゆく。研究成果を広く普及するための取り組みとして、ウェブサイトテーマ別ページを改善するとともに、アクセス可能なコンテンツの拡充を図る。
(3) また、国内外におけるシンポジウム・講演会等の開催、有識者会議、学会等での論文発表、出版活動、外部の査読付きジャーナルへの投稿等を積極的に行う。セミナー・講演会については、大阪での夏期公開講座の新規実施など国内外各地域および各界のニーズに対応する。国内外の講演会等の開催にあたっては、アジ研の研究員と本部の調査担当者が共に講師を務めるなど、本部および国内外事務所との連携を強化すると共に、ジェトロが有する広範なネットワークを活用し、機動的に実施できるように連携を強化する。
3. 研究所図書館
研究所図書館は、開発途上国研究の共通インフラの役割を果たす専門図書館として学術資料の他、各国の政府刊行物、統計書、新聞・雑誌等の多言語にわたる資料を収集、整備、提供すると共に、電子媒体による資料・情報の収集も進め、図書館資料に関する情報の積極的な発信を行う。
また、来館者はもとより遠隔地利用者及び非来館利用者の利便性を本部ビジネスライブラリーに設置したサテライト等により高め、所蔵資料に関する情報の効果的な発信を通して、蔵書の利用度を向上させる。このため、電子図書館のコンテンツのさらなる充実を図るとともに、新着資料の紹介と新着アラートサービス(雑誌の最新号到着情報・新着資料情報の配信)を推進する。
これに加え、図書館相互協力制度を充実し、相互貸借だけでなく他館での資料展示や講演会の開催を通じて、研究所図書館活動の普及に務める。
4. 研究ネットワーク・人材育成
研究所の調査研究活動の一環として、開発途上国の経済・社会・政治等諸事情の把握及び経済学等の理論の修得等を行い、研究水準の向上、研究ネットワークの構築・拡大、研究所の認知度向上を図るため、途上国地域の研究機関・大学並びに、欧米等の開発途上国研究機関へ研究員を海外研究員として派遣する。さらに優れた業績を有する途上国地域研究・開発研究の専門家を海外客員研究員・開発専門家等として招聘する。
また、研究所の有する開発途上国に関する豊富な知見・研究成果に基づく知的貢献の一環として、理論と実践能力を兼ね備えた日本人開発専門家を国際機関等への輩出、およびアジア地域の開発途上国の行政機関または公的機関とのネットワークの構築等を目的に、開発スクール(イデアス:IDE Advanced School)を運営する。
5. 競争的資金の獲得
研究所の研究を充実させるための新たな財源として、研究蓄積と研究者の集積を活用し、国際機関・政府機関等からの受託研究や、科学研究費助成事業などの競争的資金を獲得し、財源の多様化を図る。
6. 研究マネジメント機能の強化
ニーズを踏まえた戦略的な研究事業を企画・実施し、各界に裨益する最先端の研究成果・情報を機動的に発信するため、研究マネジメント機能を強化する。
7. 研究部門と調査、事業部門との連携強化
研究所と調査、事業部門、海外事務所等が連携を強化し、研究、成果普及等の事業の拡充を図りシナジー効果を高めるための取り組みを行う。また、管理的業務等の効率化のための取り組みも一層推進する。
過去の調査研究方針
- 2012(平成24)年度調査研究方針
(26.3KB) - 2011(平成23)年度調査研究方針
(15.5KB) - 2010(平成22)年度調査研究方針
(22.8KB) - 2009(平成21)年度調査研究方針
(25.3KB) - 2008(平成20)年度調査研究方針
(835KB) - 2007(平成19)年度調査研究方針
(30.7KB) - 2006(平成18)年度調査研究方針
(35.1KB)







