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採用・募集情報

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研究者インタビュー

雷蕾(2014年度入所  新領域研究センター グローバル・バリュー・チェーン研究グループ )

──簡単な自己紹介をお願いします。

私は中国で育ち、米国に留学して応用経済学を学びました。さらに、マニラのアジア開発銀行でインターンをしながら低所得国のグローバル・バリュー・チェーン参加について、ベルギーでは客員研究員として欧州の貿易政策を研究しました。アジア経済研究所には2014年から勤務しています。

──どのような研究をしていますか。

今まで私は農業経済学、国際貿易論、開発経済学を研究してきました。なかでも関心を持ってきたのは、農業と食糧の国際サプライチェーンと持続可能な農業の二つです。例えば、貿易相手国同士で農業食糧サプライチェーンの標準・規制が普及する過程、食糧生産・消費の環境的側面などを取り上げました。また、アジ研の同僚たちとセッションを組んで、WTOのパブリックフォーラムや気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCC)のCOPコンファレンスといった国際的な場での成果発信にも取り組んできました。

──研究で心がけていること,アジ研の魅力、そして今後の抱負についてお聞かせください。

研究のアイディアを研究計画に仕立てる最初の一歩として先行研究レビューを大事にしています。アジ研では現地を調査する機会がたくさんあります。こうした機会を使ってデータ収集のための調査をしたり、さまざまな関係者と会うことで、自分の研究が現実世界の問題を解決するうえで役立つか確認できます。研究所の同僚と議論を重ねることも、とても有用だと思っています。また、アジ研の魅力に、多くの研究者が二度経験する2年間の在外研究があります。海外の大学や研究機関に滞在して行う在外研究の機会は貴重です。私自身は、農産物基準策定を世界的にリードしている欧州の研究機関で、農作物の国際貿易ルールに関する研究を深められればと考えているところです。

菊池啓一(2014年度入所  地域研究センター ラテンアメリカ研究グループ )

──簡単な自己紹介をお願いします。

もともとサッカー観戦が好きでヨーロッパや南米に興味を持っていたのですが、大学3・4年のラテンアメリカ研究のゼミで研究を続けたいと思ってしまったのが運の尽きで(笑)、研究の道に入りました。修士課程までは慶應義塾大学で、博士課程ではアメリカのピッツバーグ大学でラテンアメリカ政治を勉強し、帰国後筑波大学を経て2014年4月からアジア経済研究所で働いています。専門は比較政治学・政治制度論でして、主にアルゼンチンやブラジルをフィールドとして、議会や予備選挙の機能などといった制度的側面を中心に研究を進めています。

──大学での勤務経験もお持ちですが,職場としてのアジ研は,いかがですか?

やはり大学と比べるとアジ研の方がスケジュールの拘束が少ないと思います。例えば講義や入試業務等がありませんので、現地調査に行く時期は比較的自由に選ぶことができ、昨年は所内研究会と自分の科研費プロジェクトとの按分出張で計1か月半現地に滞在しました。また、充実した図書館があることや、他の研究者のキャレルや個室を気軽に訪れて色々相談できる「文化」があること、似たような関心をもつ研究者と気が向いたら勉強会を開けること、などもアジ研の特徴かなと思います。そして、他の研究者がお土産に買ってきてくれる世界各国のお菓子を味わえるのも、隠れた魅力です(笑)。

──今後の抱負をお聞かせください。

昨年度は自分の博士論文を英文単行書として出版するための所内研究会をしていたのですが、佳境に差し掛かりつつあるその出版作業をきっちりと完了させることが目下の課題です。それから、そろそろ海外派遣員制度でブラジル・アルゼンチンに長期滞在ができることを期待しているのですが、その成果は海外のトップジャーナルに絶対載せたいです。また、折角アジ研にいますので、他の研究者と「遊び心のある研究」にもチャレンジできたらなと思っています。

今井宏平(2016年度入所 地域研究センター中東研究グループ)

今井宏平

──簡単な自己紹介をお願いします。

中学時代の1995年にイスラエルのイツハク・ラビン首相暗殺に衝撃を受けたことがきっかけで中東の国際政治に関心を持ちました。大学時代は国際関係論の基礎を学び、大学4年時のトルコ旅行を機に本格的にトルコ外交の研究者を志しました。大学院時代にトルコの中東工科大学に約5年間留学し、博士号(国際関係論)を取得、帰国後、日本でも博士号(政治学)を取得しました。日本学術振興会特別研究員を経て、2016年4月からアジア経済研究所に勤務しています。

──どのような研究をしていますか。

現代トルコの外交政策を研究しています。トルコは地理的に中東、ロシア、南コーカサス、ヨーロッパに隣接するとともに、NATO加盟国、EU加盟交渉国で、常に国際政治の最重要問題の最前線に位置する国です。そのため、トルコの外交は非常に多面的で活発です。こうした「複雑怪奇な」トルコ外交を、国際関係論の枠組みからどのように説明できるかを研究課題としてきました。その中で明らかになったことは、トルコの政策決定者が常に地域秩序と国際秩序を意識した外交を展開していることです。2015年に出版した『中東秩序をめぐる現代トルコ外交』ではそうした外交を描きました。

──研究において心がけていることは何ですか。

常に現地感覚を保つことと社会科学の方法論を意識することです。国際的な水準で考えれば、地域研究者は現地の事情と方法論の両方をハイスペックで備える必要があります。 現地感覚を保つためには、年に数回必ず現地に足を運びとともに、現地の新聞などを通じて情報に常に敏感でなければなりません。アジア経済研究所は独自の研究会制度があるとともに科研費の取得も認められており、現地に足を運びやすい環境にあります。また、図書館には、トルコ語の新聞が置かれています。加えて、在籍する研究者は方法論の習得、開発にも非常に力を入れています。アジア経済研究所は発展途上国研究にうってつけの環境を有しています。

アブー ションチョイ(2010年度入所 在ニューヨーク海外派遣員)

アブー ションチョイ

──簡単な自己紹介をお願いします。

私はバングラデシュ生まれのミクロ経済学者です。アジア経済研究所に2010年にテニュア・トラックの研究員として入所し、2013年にテニュア研究員になりました。私はオーストラリア国立大学で修士号(経済政策)、豪ニューサウスウェールズ大学で博士号(経済学)を得ました。アジア経済研究所に入所する前は国際通貨基金(IMF)で研究インターン、バングラデシュのBRAC大学で講師を務めました。今、海外派遣員制度でニューヨーク大学に客員研究員として勤めています。

──どのような研究をしていますか。

私は開発の諸問題の理解と解決に努めています。リサーチ・クエスチョンに答えるためには、実験的手法や疑似実験的手法を用います。現在は貧困層の金融包摂について研究しています。私が生まれ育ったバングラデシュはマイクロ・クレジット革命で有名ですが、76%もの国民が銀行との付き合いがまだありません。なぜそうなのか、どうすれば貧困層の現状を改善できるか考えています。

──研究において心がけていることは何ですか。

研究しやすい環境と学術志向のある同僚がいることが私にとっては最も大事です。この点、アジア経済研究所が提供してくれる研究予算はキャリアの浅い若い研究者として有り難かっただけでなく、予算以外のサポートや同僚との交流も研究のアイディアやデザインを改良させるうえで役に立ちました。

藤田麻衣(1996年度入所 地域研究センター東南アジアⅡ研究グループ長代理・主任研究員)

藤田麻衣

──簡単な自己紹介をお願いします。

一橋大学社会学部を卒業し、民間企業勤務を経て英サセックス大学で開発学修士号取得後、1996年にアジア経済研究所に入所して20年になります。修士課程在学中に、市場経済化で注目されつつあったベトナムにひかれ、研究を始めました。入所後はシンガポールとベトナムでの在外研究を経験し、ベトナムの対外経済関係から経済全般、産業、企業へと研究対象を広げてきました。

──どのような研究をしていますか。

ベトナムの経済・産業を研究しています。とくに市場経済化やグローバル化の下での産業・企業の成長に関心を持っています。2001年、中国から怒涛のように模倣バイクが流入し、市場や生産を一変させるさまを目の当たりにして衝撃を受け、二輪車産業の研究に着手しました。およそ10年越しで地場や外資(日系、台湾系、中国系)の二輪車企業や部品企業の訪問調査を重ね、2013年にExploiting linkages for building technological capabilities (Tokyo: Springer)として 出版するとともに、英サセックス大学から博士号(開発学)を取得しました。

──研究において心がけていることは何ですか。

既存の統計や調査がほとんどない対象を取り上げ、大規模アンケート調査では捉えにくいテーマを扱ってきたため、現地での聞き取り調査を研究の中心に据えてきました。現地での問題発掘や実態把握からスタートし、それを社会科学の枠組みでどう理解できるか考えることを大事にしています。小さな子どもがいるため長期の調査は難しいのですが、家族のサポートを得ながら現地調査の機会を確保しています。 近年ではベトナムについてのデータや情報源も増えましたので、それらと現地調査をどう効果的に組み合わせるか、知恵を絞る必要性も増しています。所内研究会や科研費プロジェクトでの様々な研究者との共同作業や議論を通じ、多くの刺激を受けています。