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トランプ政権の発足とイラン・米国関係の今後

中東レビュー

Volume 4

鈴木 均 著

2017年3月発行

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概要

2015年7月14日に予定よりほぼ1カ月遅れてイランとG5+1のあいだで核合意がなされ、その後2016年の1月16日には合意内容の履行が始まった。だがその後米国による経済制裁の解除は当初予想されていたようには進行せず、日本を含む西側の経済界がイラン市場への本格的な進出を当面先送りにし、JCPOA(イラン核に関する「包括的共同作業計画」)の経済的な効果を期待していたイラン側の苛立ちが高まるなかで、イランの本格的な国際社会復帰に向けての次の転換点として2016年11月の米国大統領選挙にイラン国内でも注目が集まっていた。

11月9日に行われた米国の大統領選挙では、かねてオバマ政権の主導による対イラン核交渉に否定的な立場を明確にしていたドナルド・トランプ氏が大方の予想を覆して勝利し、オバマ政権によって新たな時代に入ったかに見えたイランと米国の関係は再び不安定な時代に突入した。

本稿は米国トランプ政権が発足した直後の現時点において、オバマ政権によるこれまでの両国関係の転換を振り返り、今後の両国関係の予想される展開を軸に中東域内の政治状況の変化について何らかの見通しを得ようとするものである。