サウジアラビアの財政・経済改革——「ビジョン2030」と「国家変革計画2020」

中東レビュー

Volume 4

福田 安志 著
2016年8月発行

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概 要

サウジアラビアは世界トップレベルの産油国で、世界最大の石油の輸出国である。その動向は世界の石油マーケットのみならず、世界の経済にも大きな影響を与える。本稿では、2014年夏以降に原油価格が暴落しその後も低価格が続くなかで、サウジアラビア政府が財政と経済の面でどのような対応をしてきたかを検証する。また、今年の4月末には「ビジョン2030」を発表し、5月7日には省庁の再編と内閣改造を実施し「ビジョン2030」の実施体制を整えている。本稿ではその最新の動きについても検討したい。

なお、5月10日に当初の原稿を記してから、サウジアラビアの状況にも新たな展開が見られるので、追記として、「国家変革計画2020(NTP)」とその評価を最後に追加した。