メキシコ、グアテマラ、パナマの各国における国家レベルの公文書の管理状況について、2017年11月に現地調査を行った。メキシコでは、立法文書の管理が行政、司法文書に比べて管理方法の面でも専門的人材の配置の面でも発展途上であり、さらに立法府内でも上院と下院で文書管理方法に差異があることが分かった。グアテマラでは、国立の文書館に公文書が移管される体制が確立しておらず、全体的に発展途上である中で、内戦が続いた歴史的経緯から国家警察の文書が重要視され、国外の援助も取り入れながら相対的に発展した管理体制を築いていることが分かった。パナマでは、保存スペースの問題から、国立文書館で移管を受ける公文書を公証人文書に限定し、国立文書館が各機関に公文書管理の方法を指導して個別管理させることで、分散的ながらも画一的な方法で公文書管理を行う体制を整えようとしていることが分かった。