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論考:2019年セネガル大統領選挙に向けた展望
――2012年大統領選挙と2017年国民議会選挙から――

アフリカレポート

No.56

 

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論考:2019年セネガル大統領選挙に向けた展望――2012年大統領選挙と2017年国民議会選挙から――

■ 論考:2019年セネガル大統領選挙に向けた展望――2012年大統領選挙と2017年国民議会選挙から――
■ 長辻󠄀 貴之
■ 『アフリカレポート』2018年 No.56、pp.83-92
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要約

セネガルでは、2019年2月24日にマッキー・サル大統領の再選をかけた大統領選挙が実施される。セネガルでは既に野党から2019年の大統領選挙の公平性に対し抗議運動が行われ、2019年選挙における選挙不正の兆候が出始めている。本稿では、2012年大統領選挙における選挙登録と無効票の分析から、民主主義国と言われるセネガルにおいて、政権側による選挙不正が行われる可能性があることを示す。セネガルで選挙不正が行われる可能性があるため、2019年選挙では選挙監視が重要になる。そのため、2012年大統領選挙の分析の後に、2017年国民議会選挙の投票結果を使用し、2019年のセネガル大統領選挙において注意を払うべき地域を特定する。

キーワード : セネガル政治 大統領選挙 選挙データ分析 選挙不正

はじめに

2018年2月9日セネガルでは、野党による抗議運動が実施され、2019年の大統領選挙を焦点に、透明性の高い選挙と選挙人カードの配布が訴えられた[Seneweb.com 2018a]1。約1年後の2019年2月24日にセネガルでは、マッキー・サル(以下、サル)大統領の再選をかけた大統領選挙が実施される[Seneweb.com 2018b]。前大統領アブドゥライ・ワッド(以下、ワッド)の息子カリム・ワッドがカタールに亡命中で、ダカール市長であるハリファ・サルが勾留中という、有力野党候補者が不在のなか選挙が行われる。セネガルはアフリカにおける代表的な民主主義国であり、特に2012年に実施された前回の大統領選挙は各国から自由で公平な選挙であったと賞賛を受けた。

世界各国の民主主義を図る際に広く使用されているPolity IVとフリーダムハウスの指数をみた場合、Polity IVのpolity2の項目において、セネガルは2007年から2016年まで7で民主主義と分類され、フリーダムハウスはセネガルを2012年から2017年まで「自由」と分類している[Polity IV 2017; Freedom House 2018]2。2012年大統領選挙では政権交代が実現したため、選挙結果がこれら指数に影響を与えたと考えられるが、2012年選挙は欧米各国からも賞賛を得ている。2012年大統領選挙の直後、当時のフランス大統領ニコラ・サルコジは、セネガルを民主主義のモデルと発言し、キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表の報道官は、セネガルはアフリカの偉大な手本であると言及している[BBC 2012]。当時のアメリカ大統領バラク・オバマも、当選挙は透明性が高く自由であったと判断した選挙監視団のレポートに言及し、セネガルを賞賛している[U.S. Government Publishing Office 2012]。また、米国国際開発庁も2012年選挙は公平で信頼できる選挙であったとしている[USAID 2017]。

アフリカの民主主義国の代表的な国の一つセネガルにおいても選挙不正は行われうるのだろうか。Hyde[2009]が列挙する選挙前時点での選挙不正の兆候には、選挙登録問題や候補者の立候補の禁止が含まれている。2019年選挙に向けて、選挙登録のための選挙人カードの配布の問題が表面化し、さらに野党の有力候補者であるカリム・ワッドとハリファ・サルが選挙に参加できない状態のセネガルでは、既に選挙不正の兆候が現れている。本稿では、第1節にて、選挙登録と無効票に焦点を置き、公平な選挙と欧米諸国に賞賛された2012年大統領選挙を分析し、選挙不正が行われていた可能性が高いことを示す。このことは、セネガルにおいて選挙監視が重要になることを示唆する。第2節では、2017年の国民議会選挙結果の分析から、2019年大統領選挙の選挙監視に際して特に留意すべき地域を考察する。

本稿では、セネガルの選挙不正の分析において、選挙登録と無効票に焦点を当てる。選挙登録を利用した不正は、選挙不正研究において分析されることが多い。なぜなら、有権者が登録できない場合、有権者も気付きやすく、メディアの規制が少ない民主主義国では、選挙登録を利用した選挙不正は報道により表面化する可能性が高いからである。民主主義国を対象にした選挙登録不正研究では統計分析を使用した多くの研究がある。Fukumoto and Horiuchi[2011]は日本の地方選挙における住民票変更にともなう選挙登録を分析し、Ichino and Schündeln[2012]はガーナにおける選挙監視と選挙登録を分析している。また、Fukumoto and Horiuchi[2011]の分析に立脚し、Hidalgo and Nichter[2016]はブラジルにおける選挙不正を分析した。一方で、選挙不正研究において無効票に焦点が置かれることは多くない3。有権者の情報から選挙不正の可能性を知ることができる選挙登録と比べ、無効票の操作は有権者が実際の選挙において観察しづらく、選挙不正の可能性に気づくことは容易ではないことが理由として考えられる。しかし、もし意図的に有効票が無効票として扱われた場合、選挙の公平性に大きく影響を与えるため、本稿では選挙登録だけでなく、無効票の分析も行う。

1.2012年セネガル大統領選挙

現在のセネガルの大統領の任期は5年で最長2期まで務めることができるが、2012年大統領選挙時の大統領の任期は7年であった4。セネガルの大統領選挙は2回投票制を取っており、第1回投票にて絶対多数の得票者がいない場合、決選投票(第2回投票)が行われ最も多くの票数を獲得した候補者が当選する[IFES 2012]。2012年大統領選挙では2月26日に行われた第1回投票にて過半数を獲得した候補者がいなかったため、3月25日に上位2名による第2回投票が行われ、サルが65.8%の得票率を得て、当時現職のワッドを下し当選した[République du Sénégal 2012]。ここでは、各国から自由で公平な選挙であったと賞賛を受けた2012年大統領選挙において、実際には選挙不正が行われていた可能性が高いことを選挙データ分析から考察する5

2012年選挙前に、サルは選挙の透明性において選挙人カードの配布と投票日を警戒していた[Kappès-Grangé 2011]6。選挙人カードの取得方法や取得場所が有権者にわかりにくいものであったことが報道されており[Valdmanis 2012]、野党候補者に投票する可能性が高い有権者が多い地区で恣意的に選挙登録が難しくされた可能性がある。この場合、ある特定の地域の選挙登録率を下げることで、得票率をあげることができる。一方で、有権者が投票日に無事に投票できたとしても、野党候補者に投票した場合、ワッド政権が野党候補者への票を意図的に破棄する可能性がある。この場合、特定の地域の無効票率を上げることで、得票率をあげることができる。2012年大統領選挙では投票が2回行われた。第1回投票と第2回投票では当選のための規定が異なるため、現職大統領による選挙戦略が異なる可能性がある。例えば、現職大統領は、第1回投票で過半数の獲得を確実にするために、第2回投票よりも、第1回投票で選挙不正を行う動機が強くなる可能性が考えられる7。そのため本稿では、2012年大統領選挙の県レベルのクロス・セクション・データを、第1回投票と第2回投票のサンプルに分けて分析する。得票率は、それぞれの候補者の得票数を有効票数で割り計算した。選挙登録率は、各県の有権者数が不明なため各県の人口を代理変数として使用し、選挙登録者数を人口で割り算出した。無効票率は、無効票数を投票数で割り算出している。また、得票率、選挙登録率、無効票率は、百分率を使用している。

最初に、相関係数を用いて分析を行う。相関係数は-1から1の間で示され、-1あるいは1に近い値の場合、相関が強くなる。第1回投票では現職大統領のワッドと野党の有力候補者であったサルの得票率を分析する8。ワッドとサルが選出された第2回投票では、ワッドの得票率と各変数間の相関係数の符号以外サルと同じ結果になるため、ワッドの得票率のみを使用する。

表1は、2012年選挙での各候補者の得票率と選挙登録率、得票率と無効票率を県レベルで算出した相関係数を示す。表1から、第1回投票において、ワッドの得票率と選挙登録率の相関係数は-0.56で負の相関があり、ワッドの得票率と無効票率の相関係数は0.597で正の相関があることがわかる。第2回投票においても、ワッドの得票率と選挙登録率の相関係数は-0.476で負の相関があり、ワッドの得票率と無効票率の相関係数は0.586で正の相関があることがわかる。ワッドの得票率と各変数の相関係数は2回の選挙において1%水準で有意であった。一方で、サルの得票率と選挙登録率の相関係数は-0.01で、得票率と無効票率の相関係数は-0.059になり相関がみられず、相関係数も有意ではなかった。これらの分析からは、ワッドが、選挙登録率が低い県で、また無効票率が高い県で、自身の得票率を伸ばしていたことが読み取れる。

表1. 相関係数

表1. 相関係数

(出所)筆者作成

次に重回帰分析を用い、従属変数にワッドの得票率、独立変数に選挙登録率と無効票率をとり分析を行う9。モデル(1)と(2)で第1回投票、モデル(3)と(4)で第2回投票のサンプルを使用する。また、欠落変数バイアスの問題を考慮し、州レベルの固定効果をモデル(2)と(4)で使用する。

表2が回帰分析の推定結果になる。モデル(1)では選挙登録率が10%水準で有意で係数の符号が負で、無効票率が5%水準で有意で符号が正であった。モデル(2)では選挙登録率が1%水準で有意であったが、無効票率は有意ではなかった。第1回投票をサンプルに用いたモデル(1)とモデル(2)からは、選挙登録率が低い県でワッドが高い得票率を獲得していたことが分かる。モデル(3)では選挙登録率は有意でなく、無効票率が1%水準で有意で符号が正であった。一方、モデル(4)では選挙登録率が10%水準で有意で係数の符号が負で、無効票率は有意ではなかった。これらの回帰分析の推定結果は、ワッドが2012年選挙において、第1回投票と第2回投票において選挙登録を利用し自身への得票率をあげた可能性が高いことを示す。

表2. 推定結果

表2. 推定結果

(出所)筆者作成

これらの相関係数と回帰分析を用いた分析は、アフリカの民主主義国のセネガルにおいても選挙不正が行われる可能性を示唆する。そして、選挙不正を防止するために選挙監視が重要となる。2012年大統領選挙において選挙不正が可能であった理由として、セネガルの選挙管理機関が完全には機能していなかったことが考えられる。

セネガルでは国家選挙管理委員会(Commission Électorale Nationale Autonome: CENA)が選挙管理と監視を行うことになっているが、選挙の運営手続きにおいて政権側の不正行為を防止する機能を完全には備えていないと考えられる。国際選挙システム財団(International Foundation for Electoral Systems: IFES)は、CENAは建前上独立した委員会だが、大統領が委員選定への影響力を持ち、財政面で政府へ依存している点を指摘する[IFES 2017, 2]。また、CENAの発表は憲法院により確定されるが、大統領は憲法院の人事にも影響力を保持している[Kimenyi and Lewis 2012]。CENA同様に憲法院も完全に独立した選挙機関ではないと考えられ、政権側による選挙不正を防止することができなかった可能性があると考えられる。

選挙不正が行われた可能性が高いにもかかわらず、2012年大統領選挙で現職大統領が敗北した理由として、ヤナマールを代表とする強い市民社会の存在をあげることができる。ヤナマールは2012年選挙の約1年前に、クルギというラップグループのチャットやキリファ、そしてジャーナリストのファデル・バロとアリュー・サネ等を中心に結成され、憲法遵守や選挙登録の呼びかけやプロテストを実施した[Y en a Marre n.d.]。ヤナマールにより現職大統領の問題が明確化され、有権者が現職大統領への投票を避けたため、サルへの投票数が予想以上に増え、選挙登録の恣意的操作だけでは選挙結果を決定的に変えることはできなかったと考えられる。2012年大統領選挙の分析はセネガルでの選挙不正の可能性を示唆し選挙監視が重要となるため、次節で2019年大統領選挙において留意すべき地域を明らかにする。

2.2017年セネガル国民議会選挙

セネガルの議会は元老院(上院)と国民議会(下院)からなる二院制であったが、2012年に元老院が廃止され一院制に移行した[Seneweb.com 2012]。セネガルでは、議員の任期は5年と定められている[Union Interparlementaire 2017a]。2017年からセネガルの国民議会は、これまでの議席数から15議席増え、165議席から構成されるようになった。国民議会選挙では、45の県に合致する選挙区から90の議員、国外の10の選挙区から15の議員、そしてクォータ制を用いた拘束名簿式比例代表制で60の議員が選ばれる[IFES 2017]10。2017年7月30日に、国民議会選挙が実施され、165議席中、サル大統領を代表とする与党連合であるベノ・ボッコ・ヤッカール(Benno Bokk Yaakaar: BBY)が125議席を獲得し、ワッド前大統領を代表とする野党連合マンコ・ワットゥ・セネガル(Manko Wattu Sénégal)が19議席を獲得した[Kande 2017]11。セネガルでは、与党あるいは与党連合への投票、そして大統領選挙での与党候補者への投票がある程度似た結果になる場合が多いため、サル政権にとって2017年選挙は2019年選挙に向けた重要な情報源となる。2017年の国民議会選挙が2019年大統領選挙の試金石になることは2017年選挙時、モハメド・ジュヌ首相が7月30日(の議会選挙)ではなく2019年(の大統領選挙)を意識する発言をしたことからも裏付けられる[Aljazeera 2017]12 。ここでは、2019年の大統領選挙で不正選挙が行われる可能性を、サルが率いるBBYの得票率から考察し、サルが重視すると考えられる地域を明らかにする。

2019年大統領選挙では、現職大統領サルは第1回投票で当選することを目指すと考えられる。現職大統領が第1回投票で過半数を獲得できない場合、候補者2名のみによる第2回投票が行われ、第2回投票では野党が結束する可能性が高くなり、現職大統領が負ける可能性が上がるからである13。また、サル率いるBBYの得票率よりもサルの得票率が大統領選挙で下がる可能性を考慮し、2019年の第1回投票で当選するための試金石として、2017年国民議会選挙ではBBYは絶対過半数以上の得票率を獲得していることが重要となる14。2017年選挙結果をみると、47の政党乱立と野党分裂により、BBYは過半数を大きく上回る議席を獲得したが、BBYの全体得票率は49.47%であり、2019年選挙の第1回投票でサルが絶対多数を獲得し当選することは確実だとは言えない15。そのため、2019年選挙では、第1回投票での過半数獲得を確実にするため選挙不正を行う動機が生まれる。

次に2017年選挙におけるBBYの得票率を州別に考察することにより、どの地域で選挙不正が行われる可能性が高いかを明らかにする。BBYの得票率を州別に色分けした図1からは、首都のあるダカール州と、その東に接するティエス州、そしてジュルベル州にて得票率が過半数に達していないことがわかる。同時に、南にギニアビサウと国境を接するジガンショール州とセディウ州、そして東にマリと国境を接するケドゥグ州でも得票率が過半数に達していない。2019年の選挙ではサルは上記6州で過半数をとれるような戦略をたてると考えられる。上記の地域の中でも特に、首都から離れた地方部に位置するジガンショール州、セディウ州、ケドゥグ州の3州では、セネガルの市民団体そして国際社会の注目が集まり難くなるため、選挙登録と無効票を利用した選挙不正が行われる可能性があり、選挙監視において注意する必要がある地域となる16。また、選挙実施前に選挙登録を利用した選挙不正が行われる可能性があるため、国際社会はより早い時期に選挙監視団を送る必要がある17

図1. 与党連合の州別得票率

図1. 与党連合の州別得票率

(出所)Senego[2017]のデータから筆者作成。
おわりに

本稿では、民主主義国といわれるセネガルにおいても選挙の不正行為が行われる可能性があることを、2012年の大統領選挙における選挙登録と無効票の分析から考察した。分析結果はセネガルで選挙不正が行われる可能性があることを示唆するため、選挙監視が重要になる。次に、2017年の国民議会選挙結果の分析から、2019年大統領選挙の選挙監視に際して特に留意すべき地域を考察した。2017年選挙における州別得票率の分析から、サルが率いる与党連合がダカール州、ティエス州、ジュルベル州、ジガンショール州、セディウ州、ケドゥグ州において得票率の過半数に達していないことを指摘した。これらの州の中でも、地方部に位置する、ジガンショール州、セディウ州、ケドゥグ州は、特に注意する必要がある。具体的には、これらの地域において、セネガルの野党、市民社会、各国や国際機関の選挙監視団は、選挙実施前の段階での選挙登録から票の集計を含む投票後の事務処理まで、不正行為が行われていないか注意を払う必要がある。

[謝辞]本稿の研究は、一般社団法人アフリカ協会のサブサハラ・アフリカ奨学基金によって実現しました。アフリカ協会に感謝申し上げます。インタビューにご協力下さったモマール・ジェン博士(2012年のセネガル大統領選挙の野党連合に協力した市民団体の選挙参謀)、アリュー・サネ氏に感謝申し上げます。また原稿への貴重なコメントを下さった査読者の先生、『ヤナマール: セネガルの民衆が立ち上がるとき』(勁草書房 2017年)の翻訳者の中尾沙季子氏、在セネガル開発援助機関の関係者、早稲田大学の先輩、後輩、卒業生の友人にも感謝いたします。
参考文献

〈外国語文献〉

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  • Y en a Marre n.d. “Historique.” (http://yenamarre.sn/presentation/historique/, 2018年4月20日アクセス).

〈新聞・ニュースサイト〉

〈統計・地図データ〉

(ながつじ・たかし/西アフリカ研究所)

脚注


  1. セネガルでは国民の持つ生体認証IDカードと選挙人カードが一体化されている。カードの表面がIDカード、裏面が選挙人としての登録を示すカードとなっている。生体認証IDカードの導入についての説明は脚注11を参照。
  2. フリーダムハウスとPolityは同じ国を対象とした場合でも、評価が異なる場合がある[Högström 2013]。しかし、両指数とも2012年以降セネガルは民主主義であることを示している。フリーダムハウスによると、セネガルでは、2012年は自由で公平な選挙がなされた[Freedom House 2013]。
  3. イタリアの議会選挙における無効票を分析したAldashev and Mastrobuoni[2016]の研究では、選挙不正が無効票に影響を与えなかったと議論されている。一方で、Hanlon and Fox[2006]は、票の集計を実際に観察することで、モザンビークの大統領選挙における無効票の操作のメカニズムを示した。
  4. 2016年に国民投票が行われ、大統領任期が7年から5年に短縮された。
  5. 本稿で使用する2012年選挙結果は、詳細データが入手可能な暫定結果を使用しているが、最終結果と大きな違いはない。2012年選挙の分析では、2012年3月1日付のセネガルの日刊紙Le Soleil[2012a]の5ページ目と2012年3月28日付の同紙[2012b]5ページ目の選挙結果情報を使用した。2012年当時セネガルには14州45県があり、各県の人口は、国家人口統計局(Agence Nationale de la Statistique et de la Démographie: ANSD)[2015]のデータを使用した。元データでは、ダガナ県、ポドール県、サンルイ県の3県の人口は小数点レベルでの表示がされている。しかし、他の州では小数点表示がないため、これら3県の小数点は切り捨てた。相関係数と回帰分析の結果は小数点第4位で四捨五入している。
  6. サルの発言の詳細は、Kappès-Grangé[2011]を参照。EU選挙監視団も選挙人カード配布の遅れに懸念を抱いていた[Valdmanis 2012]。
  7. 2012年大統領選挙において、ワッドは当選に必要な得票率を下げて、第1回投票で当選できる可能性を上げようとしたと考えられる。詳細は脚注13を参照。
  8. 第1回投票では14人の候補者が出馬したが、当時の現職大統領ワッドと野党の有力候補者の1人サルで、過半数を超える61.39%の得票率を獲得したため、ワッドとサルの選挙結果のみ使用する[African Elections Database 2012]。
  9. 相関係数の分析から、少なくとも第1回投票では、ワッドはサルの得票率を下げるために、選挙登録と無効票を利用していない可能性が読み取れたため、ワッドの得票率のみを従属変数にとる。分析に使用したデータの詳細は脚注5を参照。
  10. セネガルでは150議席から議会が構成されていたが、本選挙ではディアスポラのための15議席が追加され、合計165議席となった[France 24 2017]。セネガルの国民議会選挙制度の詳細はUnion Interparlementaire[2017b]を参照。
  11. 義務投票制をとらないセネガルでは選挙登録が必要になるが、2016年に有権者の選挙人カードにもなる生体認証IDカードが導入された。2017年選挙直前になっても発行に遅延が見られ、野党が選挙不正の可能性を指摘していた。例えばLiffran[2017]とRadio France Internationale[2017]の記事がある。
  12. ジュヌ首相の発言はAljazeera[2017]の記事を参照。
  13. 現職大統領が第1回投票で当選することを目指すということは、2012年大統領選挙前に、当時現職大統領であったワッドが当選に必要な得票率を50%から25%に下げて、自身が第1回投票で当選できる可能性を上げようとしたことからも垣間見ることができる[Freedom House 2013]。ワッドは当選に必要な得票率の変更に加え、大統領と副大統領を同時に選ぶチケット制を導入しようとした。しかし、これらの法案はヤナマールをはじめとする市民社会から大きな反対の声があがり、取り下げられることとなった[Bâ 2011]。
  14. 2017年国民議会選挙から2019年大統領選挙まで約1年半の期間がある。国民議会選挙から大統領選挙までの期間がほぼ同じである過去の選挙として、1998年5月24日に実施された国民議会選挙と2000年2月27日に実施された大統領選挙がある。1998年選挙で与党のセネガル社会党は50.19%の得票率を獲得し、2000年選挙の第1回投票でセネガル社会党のアブドゥ・ディウフは41.3%の得票率を獲得した[African Elections Database 2012]。2000年選挙の第2回投票において、当時現職大統領であったディウフは、41.51%の得票率を獲得し、58.49%の得票率を獲得したワッドに敗北した[African Elections Database 2012]。これら1998年と2000年の選挙の事例は、現職大統領が率いる与党が過半数の得票率を国民議会選挙で獲得できていた場合でも、大統領選挙では現職大統領が負ける可能性があることを示す。
  15. セネガルのニュースサイトSenego[2017]の選挙結果情報から算出した。セネガルは独立後、2000年までセネガル社会党による長期政権を経験した。2000年大統領選挙と2001年国民議会選挙での政権交代後に、政党の数が急増することになる。1997年に26存在していた政党数が、2000年には57政党、2008年には145政党に急増した[Hartmann 2010]。
  16. アリュー・サネ氏(ヤナマールのプロジェクト・コーディネーター)によると、首都圏と付近の3州と比べ、ジガンショール州、セディウ州、ケドゥグ州の3州では、市民社会の監視が弱い(インタビュー:2018年2月7日 ダカール市内ヤナマール事務所)。
  17. 例えば、アフリカ連合の選挙監視団は2012年選挙時には、選挙実施の約1週間前にセネガルに到着したが、2019年選挙では少なくとも選挙運動が始まる前の到着が望まれる[African Union 2012]。