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インドネシアの都市化:村落悉皆調査結果を用いた分析

調査研究報告書

東方 孝之  編

2016年3月発行

第1章
本稿では、インドネシアの2002年および2011年の村落悉皆調査結果を用いて、インドネシアの都市化の過程について情報を整理している。国別に都市の定義は多様であるが、インドネシアでは、(1)人口密度、(2)農業従事世帯割合、(3)公共施設等へのアクセスのしやすさ、に応じてポイントが加算され、合計値が10以上の地域は都市に区分される。この定義に従った場合には、1993年には3割程度だった都市人口割合が、2011年には5割を超えたと推計されている。この都市化の進展を2002年と2011年の行政村レベルの情報を利用して確認したところ、人口密度の変化の影響は小さく、農業従事世帯割合の減少や教育施設を中心に公共施設等へのアクセスのしやすさが改善したことによる影響が大きかった。最後に、今後の課題として、人口センサス・データを用いた人口密度計算の精緻化や、日本などで用いられている都市化基準を適用してインドネシアの都市化過程を分析することを挙げている。

第2章
本稿では、インドネシアの北スラウェシ州を事例に、1999年から2011年までの情報を用いて都市化プロセスの分析を試みている。橋口・東方(2016)は、インドネシア政府の定義に従って分析した場合には、非農業従事世帯割合の増加が都市化に大きく寄与していたことを指摘している。そこで本稿では、北スラウェシ州を事例として、まず、都市化の進展を行政村単位で地図上にプロットして概観した上で、次に、非農業人口割合の変化と人口移動との相関関係について分析している。その結果、2005年までに非農業従事世帯割合が増加していた行政村ほど、2005年以降の5年間に移住(移入)確率が高くなっていたことを確認した。次いで、非農業従事世帯割合が増えていた行政村の特徴を探るべく分析を試みたところ、過去に道路や電力といったインフラ整備が進んでいた行政村ほど、非農業従事世帯割合が増えていたことを確認した。最後に、今後の課題としては、都市圏の確定作業を進めた上で、都市化が所得格差の変化や貧困削減に与えた影響を分析することを挙げている。