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貿易関連指数による国際比較と分析

調査研究報告書

野田容助・黒子正人・吉野久生 編
2008年3月発行
この報告書は中間報告書です。最終成果は
野田容助・黒子正人・吉野久生 編『貿易指数と貿易構造の変化  Trade Indices and Change of Trade Structure
統計資料No.93、2009年3月発行
です。
序章
貿易関連指数の作成と応用に向けた諸課題 pdf (643KB) / 野田容助・黒子正人・吉野久生
はじめに
 1. 貿易データの整備および整合性の評価
 2. 貿易関連指数の作成と評価
 3. 貿易関連指数の国際比較と分析
おわりに


アジア経済研究所の経常研究の1つである「貿易指数の作成と応用(Ⅳ)」研究会は世界貿易統計データに関する整備と貿易統計の利用という立場から、貿易指数の作成とそれにもとづく国際比較と分析を目的としており、本調査研究報告書は本研究会の1年目の中間的な成果の一部を取りまとめたものである。本章は本書における総論であり、貿易指数の作成と応用におけるこれまでの経緯と成果を紹介した後、本研究会の3つの柱をそれぞれ部としてまとめている。第1部はUN 作成によるUN ComtradeDatabase 貿易データを基礎データとして貿易データの整備および整合性の評価をおこない、第2部では貿易関連指数の作成とその特性評価および国際比較をおこなっている。第3部では貿易価格指数および関連指数を利用した国際競争力、国際比較と分析について概観している。

第1部 貿易データの整備および整合性の評価
第1章
はじめに
 1. 貿易統計の集計及び公表機関
 2. 貿易統計の保有状況
 3. ベトナム貿易データの逆推計による方法
 4. 逆推計によるベトナム貿易データの評価
おわりに


台湾貿易データのUN 化準拠の方法については海老原・野田の「台湾貿易データにおけるUN 貿易データの準拠の試み」に概要が示されているが、その長期時系列貿易データの利用はSITC-R1に限られ、数量も重量数量のみを対象としている。しかも、台湾貿易データをアジア経済研究所世界貿易データシステム(AID-XT)の基礎データを経由してUN化している。本章は海老原・野田の方法を1989年から2005年までのHS各系列に適用してHS1988年度版による時系列貿易データと2種類の数量の作成を可能にしている。また、本章ではAID-XT 基礎データを経由せずに直接変換する方法を採用している。

第2章
はじめに
 1. 台湾貿易データの構成と特徴
 2. UN化準拠のための分類カテゴリーの対応関係
 3. UNに準拠した貿易データ作成
おわりに
もくじ


台湾貿易データのUN 化準拠の方法については海老原・野田の「台湾貿易データにおけるUN 貿易データの準拠の試み」に概要が示されているが、その長期時系列貿易データの利用はSITC-R1 に限られ、数量も重量数量のみを対象としている。しかも、台湾貿易データをアジア経済研究所世界貿易データシステム(AID-XT)の基礎データを経由してUN化している。本章は海老原・野田の方法を1989年から2005年までのHS各系列に適用してHS1988年度版による時系列貿易データと2種類の数量の作成を可能にしている。また、本章ではAID-XT基礎データを経由せずに直接変換する方法を採用している。

第2部 貿易関連指数の作成と評価
第3章
BEC分類別貿易指数の作成 pdf (807KB) / 黒子正人
はじめに
 1. BEC分類の利用
 2. 指数の作成条件
 3. 指数の作成手順
 4. 作成された指数についての考察
おわり


国連貿易統計を利用してBEC分類別の貿易指数を作成した。SITC商品分類からBEC分類への変換と指数作成の方法について詳述し、結果の一端を報告する。

第4章
はじめに
 1. 貿易価格指数としての単価指数と物価指数
 2. 単価指数の問題と改善方法
 3. アジア経済研究所(IDE)のUN・COMTRADEベース指数の特徴
 4. 品目分類レベルを異にする輸送用機械の輸出単価指数の作成-乗用車とトラック
 5. 輸送用機械総合でのHSベース指数と他の単価指数の比較
おわりに


経済活動のグローバル化とともに、各国経済活動での外国貿易の比重は増大しており、外国貿易での価格と数量の動きをどのように測定するかは、政策担当者やエコノミストにとっての大きな課題の1つである。

アジア経済研究所の貿易指数プロジェクトでは、国連の国際貿易統計を用いて、SITCの統一された品目コード別の金額と数量を使って単価を計算し、類別の単価指数や数量指数を作成してきた。そして、作成された単価指数の特徴や問題点について検討してきた。

この論文では、品目分類のレベルが異なるSITCとHSのコードのそれぞれを用いて、日本の乗用車、トラックとそれらを含む総合の輸送用機械の連鎖型単価指数を作成し、品目分類を細分化することで単価指数に含まれる品質変化の影響をかなり調整することができることを明らかにする。

第5章
はじめに
 1. 単価指数およびIIT指数の算定式
 2. HSとBECの対応関係とHSの貿易タイプ分け
 3. IIT指数および単価指数の作成
おわりに


本章は深尾・石戸の「産業内貿易指数の算出と分析 — 東アジアとEUの比較 —」で紹介された貿易タイプを基礎とした野田の「産業内貿易指数の処理プログラムとその利用法」の続編であり、産業内貿易指数(IIT)についてその基礎となる産業分類をUN作成によるBEC 分類にすると同時に、BEC 分類をさらに「一方向貿易」、「水平的産業内貿易」、「垂直的産業内貿易」、「その他」の4 つの貿易タイプに分割している。貿易タイプに分割されたBEC分類に対してIIT 指数と単価指数の作成方法を示すことが本章の目的である。具体例として、UN Comtrade Database貿易データから得られる報告国日本と相手国韓国に対するIIT指数と単価指数の作成方法が示されている。

第3部 貿易関連指数の国際比較と分析
第6章
農産物貿易、競争力分析 pdf (721KB) / 梶原弘和
はじめに
 1. 農産物貿易の推移
 2. 主要国の農産物品目別貿易シェア
 3. 農産物の競争力
おわりに


本論では、世界、先進国、開発途上国、主要農産物輸出入国を対象にし、農産物合計および18からなる品目別農産物に関して貿易構造、競争力を分析した。分析から世界における農産物貿易の比重低下、農産物貿易に占める開発途上国の比率低下、特定国への偏り、先進国を中心とした農産物貿易の展開、という結果が得られた。世界の貿易は製造業品だけでなく農産物でも先進国を中心とした構造になってきたのである。

東アジアで生じた製造業品の競争力変化は、開発途上国から中進国、先進国段階に変化するにともない労働集約財から資本ないし技術集約財へ競争力が移動した。しかし農産物ではこうした競争力変化はみられない。むしろ強い競争力を有する国のそれが維持され、弱い国のそれが強化されることは少ない。農業は生産要素、とくに農地に制約され、労働や資本の賦存量による競争力への影響力が小さいからである。したがって保護されている間は競争力が維持されるが、保護がなくなると国の土地賦存を反映した競争力が顕在化する。農産物貿易の自由化はこうした農産物競争力にみられる特徴をさらに顕在化するにちがいない。

第7章
はじめに
 1. 先行文献
 2. 実証分析のフレームワーク
 3. 推計結果
おわりに
付録A. 実質GDP系列のフィルタリング
付録B. 貿易変数の計算
付録C. 内外資本移動の連動性指数の操作変数の作成方法
付録D. データの出所


1990年代末以降、地域経済統合政策への含意を意識しつつ貿易と景気循環の関係を見直す研究が活発に行われ、相互の貿易量が多く輸出品目の類似性が高い国々において景気循環の連動性が強まることが報告されている。本章では世界貿易におけるシェアの大きい38 カ国を対象とし、景気循環の国際間波及における貿易の役割を再考する。本章の分析によれば、二国の景気の連動性は当該国間の貿易の多寡だけでなく、共通の第三国市場に対する輸出状況にも強く依存している。また、輸出品目の類似性が景気の連動性を高める効果は全ての産業に均一に生じているわけではなく、燃料品を中心とする採掘業と輸送用機器を含む機械類産業に特有の現象だと思われる。これらの産業の中には当該産業固有の需給ショックが頻繁に生じていると思われるもの、生産された財に対する需要が景気循環に敏感なもの、生産工程の国際間分業の進展によって産業別・マクロ的な需給ショックが国際的に波及しやすくなっていると思われるものが混在している。

第8章
はじめに
 1. マクロ経済の概況
 2. ポーランドとハンガリーの金融政策
 3. 推計式と定義式
おわりに
もくじ


ポーランド、ハンガリーでは近年堅調な経済成長が持続しており、貨幣供給の伸びもかなり大きい。為替レートは概ね切り下がり基調で、輸出や物価は安定した伸び率を見せている。両国の一人当たり所得はほぼ等しく発展段階も類似しているものと考えられる。両国は同一の輸出市場を持ち、輸出製品がそこで競合しているものと想定する。一方の国が金融拡張政策をとり、物価が上昇、利子率が下落すると、為替レートが下落する。このことによって、輸出が増加して、GDPも増加するが、そのような政策は、貿易を通じてもう一方の国の経済に影響を与えてしまう。この二国間の相互関係は、ゲーム論のナッシュ均衡によって表現することができる。本稿では、ポーランド、ハンガリーのマクロ計量モデルを構築して、そこにナッシュ均衡を導入した。

Chapter 9
Introduction
 1. Background and Theory
 2. Empirical Model
 3. Data
 4. Empirical Results
Conclusion


Exchange rates play a key role in the literature on the determinants of trade, and this role is currently receiving a great deal of attention in the context of global imbalances. This paper adds to the literature that suggests that exports become less sensitive to exchange rate movements under certain circumstances. Focusing on the industryspecific sensitivity of export quantities to exchange rates in the context of intra-industry trade (IIT), this is, to the author’s best knowledge, the first study to theoretically and empirically investigate this relationship. It is assumed that more IIT implies a smaller elasticity of substitution among differentiated products and vice versa. The model presented in this paper suggests that the gap in production costs has an influence on IIT as well. The empirical analysis investigates six cross-country industry-panels for the bilateral trade of eight East Asian countries, Japan, and the United States with the EU, Asia, Japan, and North America. The empirical results confirm that export sensitivity to exchange rates declines as the extent of IIT increases. An obvious policy implication of the findings is that the effectiveness of exchange rate adjustments as a policy tool for addressing trade imbalances diminishes when substantial IIT exists.