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アフリカにおける紛争後の課題

調査研究報告書

2007年3月発行
この報告書は中間報告書です。最終成果は
武内 進一 編『戦争と平和の間—紛争勃発後のアフリカと国際社会—』研究双書No.530、2008年発行
です。

序章
はじめに
1.共同研究の射程-「紛争後」とは
2.紛争後のアフリカ
3.国際社会の関与
4.最終報告に向けて


1990年代に多発したアフリカの紛争は、近年減少傾向に転じている。主要な紛争経験国における紛争から平和への移行プロセスを概観すると、多くの場合国際社会がクリティカルな形で関与している。国際社会がアフリカの紛争への関与を強めている理由として、先進各国の市民社会を中心に道義的な関心が高まっていること、また特に911事件以降は発展途上国における国家の「破綻」を自国の安全保障と結びつけて捉え、これを放置できないと考える傾向が欧米政府に強まったことが挙げられる。

第1章
はじめに
1.モザンビーク武力紛争と紛争終結後の平和構築
2.モザンビーク北部ニアサ州マウア郡における紛争中・紛争終結後
終わりに


17年間にもわたる悲惨な武力紛争の戦場となったモザンビーク。本稿では、世界的に賞賛され、国連が宣言した「持続的な平和の基盤」が、本当の意味で紛争終結後のモザンビークにおいて構築されたか否かについて、激しい戦闘の現場となったモザンビーク北部農村地帯を中心に検証した。具体的には、モザンビーク北部ニアサ州マウア郡を事例として、紛争が終結した後に国連によって繰り広げられた平和構築の諸事業や政府による「国家再建」の動きが、地域社会において如何なるものとして展開され、そのことが地域社会に如何なる影響を及ぼすこととなったのかについて考察している。この考察の結果として、紛争勢力同士の和平が、必ずしも地域社会レベルにおける和平にはつながらないこと、特に紛争終結直後に導入された複数政党制選挙が地域社会レベルの対立を深める役割を果たしたことを明らかにした。

第2章
はじめに
1.1990年代のリベリア内戦と平和構築
2.2000年以降のリベリア内戦と平和構築(2006年まで)
おわりに


本稿は、その中間報告という性格であることから、リベリアにおける平和構築のプロセスについて時系列にまとめることを主たる目的とし、1990年頃から激化したリベリア内戦と(和平合意後、1997年に大統領を選出)、2000年以降に同地域で再発した内戦とを、それぞれに対応してきた国際平和活動による平和構築政策の観点からその概要を示した。その際とくに、平和構築の重要課題にひとつである元戦闘員の武装解除、動員解除、再統合(DDR: disarmament, demobilization and reintegration of ex-combatants)に着目した。本稿のおわりには、以上の各時期のリベリア内戦にとって国際平和活動による平和構築政策が含意するところについて、現時点における筆者の見解を示した。

第3章
1.舞台設定の妥当性
2.無党制と権力分有
3.対比-エスニシティの可視性と不可視性
4.考察
【Appendix】死者だけでなく、生者とも和解する マムード・マムダニからムセヴェニ大統領への公開書簡(2005年12月4日)


ウガンダは1986年に無党制を、南アフリカは1994年に権力分有を導入し、政治紛争を自力で克服した。しかし、安定期が持続するにつれて、ウガンダにおいてはエスニックな対立が、また南アフリカにおいては階級の分裂が表面化しつつある。両国の制度を対照させることで、移行期の規範的制度にかかわる教訓を引き出すことができる。

第4章
1.南北間の紛争
2.ダルフール紛争
おわりに


本稿は、スーダンにおける「紛争後」平和構築の見通しについて分析を加えるための準備作業である。その目的は、スーダンの紛争問題が持つ歴史的・政治的背景を整理し、今後の研究の基盤とすることである。そこでスーダン内の南北間の紛争とダルフール紛争をとりあげ、その歴史的経緯と国際社会の関与を整理する。

第5章
はじめに
1.和平プロセスの停滞が意味するもの
2.訳出にあたっての注記
3.合意文書ごとの解題
資料1 アクラⅠ合意
資料2 ロメ合意
資料3 リナ・マルクーシ合意
資料4 リナ・マルクーシ合意 付録
資料5 クレベール声明
資料6 アクラⅡ合意
資料7 アクラⅢ合意
資料8 プレトリアⅠ合意
資料9 プレトリアⅡ合意


本資料は、コートディヴォワール研究、アフリカ政治研究、紛争研究、平和構築研究などへの貢献を念頭に置き、2002年9月に勃発し、現在に至るまで解決に至っていないコートディヴォワール内戦の和平プロセスにおいて締結された8つの和平合意文書を、全文本邦語訳したものである。8つの合意文書の存在が間接的に示すように、コートディヴォワール内戦の和平プロセスは膠着が続いてきているが、まずこの膠着が意味するところについて全般的な解説を記した後、それぞれの合意文書について、締結・成立に至る経緯、内容、意義を簡単に記した解題を付した。

第6章
シエラレオネ地方自治法 pdf (384KB) / 落合雄彦
はじめに
地方自治法


2002年1月に内戦の終結が宣言されたシエラレオネでは、地方自治制度改革が「紛争後の課題」として注目されている。2004年には地方自治法が成立して地方議会選挙が実施され、およそ32年ぶりに地方議会が復活した。本章では、シエラレオネにおける「紛争後の課題」としての地方自治制度改革に注目し、その理解にとって必要不可欠な国内法である地方自治法の仮訳を試みる。

第7章
はじめに
ルワンダ国際刑事裁判所関連年表
ルワンダ国際刑事裁判所規程(抜粋)
手続および証拠規則 修正
シエラレオネ特別法廷関連年表
シエラレオネ特別法廷規程(抜粋)


本研究は、紛争後のアフリカ社会において国際的に設立された二つの刑事裁判所の役割および機能を探ることにより、現地における法の支配の定着、不処罰の伝統の終了に対する司法の役割を明らかとするものである。この考察の前段階として、ルワンダ国際刑事裁判所およびシエラレオネ特別法廷の設立の経緯および活動について年表を作成し事実関係を明らかとした。

第8章
はじめに
文献紹介


内戦とジェノサイドによって深刻な人権侵害が生じたルワンダでは、現在国民和解に向けた取り組みが行われている。その中で重要視されているのが、ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)や「ガチャチャ」といった裁判である。本章では、最終報告に向けた基礎作業として、内戦後ルワンダの裁判や国民和解を扱った文献を挙げ、簡単な紹介文を付した。

第9章
はじめに
文献紹介


1990年代後半以降、コンゴ民主共和国は2 度にわたる内戦を経験した。内戦は複雑な経緯を辿り、和平プロセスには国際社会がクリティカルな形で関与した。本章は、コンゴの内戦およびそれ以降の和平プロセスを分析するための準備作業として、それに関する主要な文献を挙げ、簡単な紹介文を付した。