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韓国主要産業の競争力

調査研究報告書

奥田 聡 編
2007年3月発行
この報告書は中間報告書です。最終成果は
奥田 聡・安倍 誠 編『韓国主要産業の競争力』研究双書No.572、2008年発行
です。
第1章
はじめに
第1節 韓国自動車産業の発展パターン
第2節 韓国自動車産業の競争力構造


韓国自動車産業は構造調整期を経て、高いコストパフォーマンスに加え、品質管理、製品力の強化など一段と競争力を高め、世界市場でのプレゼンスを急速に高めている。一方では、持続的成長のための次世代技術開発力、グローバル生産ネットワークの構築という新たな課題に直面している。

第2章
はじめに
第1節 半導体市場におけるサムスン電子の競争力
第2節 DRAM の開発競争の新展開
第3節 次世代DRAM アーキテクチャをめぐる競争とサムスン電子の優位
第4節 DDR アーキテクチャの普及をめぐる競争と協調
おわりに


本章では、韓国の半導体産業の競争力を、サムスン電子の事例に即して考察した。とくに、DRAMアーキテクチャの革新と次世代の標準をめぐる競争に焦点を当て、サムスン電子が次世代DRAMアーキテクチャ(DDR)の市場をいち早く掌握したこと、その背後には、同社の提案した技術が業界標準になったことが大きく関係していたことを明らかにした。

第3章
はじめに
第1節 「組立型工業化論」再論
第2節 日韓中の工業品貿易の展開
第3節 日韓、韓中の機械類貿易
第4節 自給度の変化
おわりに
付論 韓国企業の対中進出


韓国の機械工業は対日・対中輸出において1990年代以降大きな伸びを示している。その過程で三国間の貿易関係は機械類の交換関係に集中してきた。ことに韓国の対中輸出は企業の直接投資の進展に伴い急増し、しかも集中度を高めてきた。しかし、自給度の顕著な改善は見られない。競争力は強化されつつあるが、まだ十分に強化されたとはいえない。

第4章
はじめに
第1節 韓国鉄鋼業の発展過程
第2節 韓国鉄鋼業の需給・貿易構造
第3節 韓国鉄鋼業の競争力と新たな展開 — 日本との競争と協調 
むすびにかえて


韓国の鉄鋼業はポスコを中心に発展を遂げてきたが,投資自由化の過程で現代自動車グループが急速に台頭しつつある。ポスコは卓越したコスト競争力ばかりでなく製品競争力でも日本メーカーを猛追している。日韓メーカーは国際的産業再編の進行のなかで従来の競争だけでなく垂直的分業や資本業務提携など幅広い協力関係も築きつつある。

第5章
はじめに
第1節 金融構造改革前後における銀行の変化
第2節 金融構造改革前後における銀行の体質変化
まとめ


1998年から金融構造改革が行われた結果、一般銀行は再編が進み、所有構造も大株主に占める外国系金融機関が急増する等の変化が生じた。また、不良債権比率、自己資本比率については、欧米先進国と比べても遜色のないレベルまで改善しており、金融システムが危機に陥るリスクは小さくなった。

第6章
はじめに
第1節 韓国経済における輸出の重要性
第2節 産業競争力の類型化 — 輸出入単価と輸出入差額を用いて
第3節 韓国主要産業の競争力
第4節 先進国と途上国による挟撃
第5節 まとめと結論
補論 輸出入単価の計算について - 詳細品目の商品交易条件の活用


韓国は今後も資源輸入などに必要な外貨を安定的に獲得していく必要がある。韓国の貿易黒字を価格および技術要因に分解すると、それまでとは違って技術要因が強まる傾向が確認された。韓国の対中技術優位が減退してはいるが、対日技術劣位挽回の傾向も見られ、ナットクラッカー論が言うような韓国の挟み撃ちが現実のものとなるかどうか、当分の間見守る必要がある。

第7章
はじめに
第1節 産業政策と技術政策の展開
第2節 近年の技術開発支援策
おわりに - 実証分析に向けて


産業競争力強化に向けた政府の役割は、金融資源の統制を通じて産業選別的に保護・育成する直接介入型の産業政策から、1980 年代後半以降は企業の独自技術の開発やR&D活動への間接支援へシフトしていった。近年も同様の政策志向のもと、「産官学」共同開発事業やR&D関連の税制支援などが特徴的な施策となっている。