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国際産業連関 -アジア諸国の産業連関構造- (Ⅴ)

調査研究報告書

岡本信広・猪俣哲史 編
2006年3月発行
第1章
アジア諸国の産業連関構造:成長と融合-2000 年アジア国際産業連関表を利用して- pdf (1.2MB) / 岡本信広・猪俣哲史・桑森啓・孟渤・中村純・佐藤創
2000 年アジア国際産業連関表が完成した。本稿では作成の過程を紹介するとともに、産業構造、貿易構造、後方連関、最終需要依存度の観点から簡単に分析を行った。その結果、中国経済のプレゼンスが大きくなり、アジア地域内の空間構造が大きく変化したことがわかった。

第2章
1997年7月にタイで発生した通貨危機がアジア各国に広がり、各国は多大な影響を受けた。今回完成した2000 年表を元に、各国の産業構成及び貿易構造がスカイラインチャートを利用して1995 年からの変化をみると、10カ国共通にみられたのは、機械部門を中心とした工業化が進展し、輸出入の貿易構造も変化を見せたことが伺える。ただし、国によって通貨危機からの回復に差が大きい。

第3章
1995年以降、アジア太平洋地域では中国の経済成長や通貨危機などの要因によって、そのエネルギー消費構造が大きく変化したものと予想される。本研究では、2000 年のアジア国際産業連関表を延長推計し、これを用いてアジア太平洋地域のエネルギー消費構造の変化について分析を行った。

第4章
本研究では、日本の長期接続産業連関表を用いて、生産技術構造の経年変化とRAS 法の評価を行った。本研究はアジア諸国を対象として分析した先行研究Ishikawa(2005)を補完するものであるが、(1)日本のように大きな経済発展を遂げた国では技術変化が小さく、その変化も経年的にはより小さくなる方向にあること、(2)RAS 法による推計誤差も経済の発展を遂げた国では極めて小さく、近年より小さくなることが改めて示された。

第5章
本章の目的は等号制約条件付き最小2 乗法とエントロピ-最適化法を用いて産業連関表(IO 表)の取引額表を推計する方法、その方法を用いたSPlusあるいはR により書かれたプログラムの作成とそれらの手法により得られた取引額表の特徴を評価することである。前者の方法として目的関数は基本的には経済産業省経済産業政策局調査統計部によるラグランジェ関数を採用して周辺和と取引額表の任意の初期値が与えられたとき、その取引額から得られた投入係数と産出係数にできるだけ近似するように取引額表を推計している。後者は取引額表を分割表と想定してK-L 情報量にもとづく負のエントロピーを最大にする方法を採用して取引額表を推計している。取引額表の推計においては部門数と周辺和の総額が共に大きくなっていくに従って特徴的な傾向をもち、プログラムの作成等を考慮したときには後者の方法が効率的な方法として選択される。

第6章
本稿では、2000年アジア国際産業連関表米国部分に対応する雇用表の作成方法について検討した。論文では、米国の労働関連データや推計の基礎となった労働省の雇用表について説明したあと、労働省雇用表をアジア国際産業連関表付帯雇用表のベースとする上での問題点、及び、今後の課題について議論した。また、同様の加工を施した日本の雇用表を用いて、雇用者一人当り雇用者所得や従業者一人当り付加価値・生産額の日米比較を行った。