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2015 年ニューデリー・ワールド・ブックフェア訪問とインド郵便局からの資料の発送

海外研究員レポート

インド

坂井 華奈子
2015年4月発行
PDF (3.10MB)

2015ニューデリー国際ブックフェア

開催期間:2015年2月14日—22日
時刻:AM11:00-PM8:00
会場:Pragati Maidan
入場料:大人Rs.20/子どもRs.10
チケットは会場のゲート(1,2,7,8,10)の他、特定の地下鉄駅(50箇所)でも購入可能。
ウェブサイト: http://www.newdelhiworldbookfair.gov.in/

アジアで最大の、と銘打たれたニューデリー・ワールド・ブックフェアは National Book Trust, India が主催、インド貿易振興局 (ITPO)の共催で2015年2月14日から22日の9日間、ニューデリーのPragati Maidanで開催された。2015年の主賓国はシンガポール、注目国は韓国であり、関連するさまざまなプログラムが催された。

昨年8月に訪問したデリー・ブックフェアと同じ会場であったが、今回は国際ブックフェアだけあって規模が大きく、同じ展示場でもより多くのホールが会場として使用されていた。会場で購入したFair Directory 1 によれば、25カ国以上から参加があり、500以上の関連プログラムが催され、出展者は1,100以上、来場者数は100万人を越えるとのことであった。かなり大規模であったため、筆者は2月17日および19日の2日間に渡って訪問し、資料の収集を行った。

児童書、一般書から学術書、専門書まで幅広い内容の本が展示され、各国の民族や文化を表した個性豊かなブースが目をひいた。主賓国のシンガポールのブースでは、英語、マレー語、中国語、タミル語といった多様な言語の出版物が展示されており、民族の多様性を目の当たりにした。

さまざまな催し物はじっくり見ることはできなかったが通りすがりにいくつか見学することができた。歌声に惹かれてイベント会場を通り抜けてみると、インド北東部の民謡のような歌を聴くことができた。アカペラで2人の女性が不思議なハーモニーを奏でていた。著者を囲んで語りあうコーナーで、かなりの人だかりができていたのでのぞいてみると、サリーを着た著者が話していたが、女性にしてはしっかりした体格で声もどことなく違和感があるような・・・と思っていると、どうやらヒジュラー(インドの第3の性のカースト)のトランスジェンダー人権活動家のようであった。かなり人気のある方のようで、立ち見が出るほどの盛況ぶりで、終了後にはファンたちが追いかけていた。

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デリーブックフェアと比較して国際的な学術出版社の参加率も高く、現物を手にとって内容を確認しながら資料を収集するよい機会であった。

たくさんの資料を抱えて会場内を歩いていると、「荷物を運ぶ?」とよく声をかけられる。会場内を運行しているシャトルバスから自分の行きたいゲートを通るものを探していると、」そこへ行くバスはないから荷物を運んでやる」(もちろん無料ではない)とうそをついて言い寄ってくる場合もあるので要注意である。シャトルバスには特にルートの表示などはなく、会場が広くて、目的地を通らないバスもあるため、あらかじめ運転手に行き先を確認してから乗る必要がある。

これまで、出張などで書店を通じて資料収集を行った際は、直接書店から日本まで発送してもらうことが多かったため、今回のブックフェア等を通して収集した資料の発送については若干頭を悩ませた。国際クーリエサービスもあるが、料金が高く、様々な書類を要求され、私が訪問した窓口では、結局必要書類の詳細を英語できちんと説明できるスタッフがおらず、身分証も自分と宛先について各2種類要求されるなど、困難と判断して、今回は郵便局から国際EMSで発送することとした。インドの郵便局では手紙や小型の小包は何度か送ったことがあったが、小包の場合には、布で箱の回りを包んで縫うことを要求される場合がある。理由は定かではないが、おそらく途中で箱が壊れたり、開封されて中身を盗まれたりする恐れがあるためではないかと思われる。以前小さい小包で同様のことを要求された際、太いセロテープで梱包を補強し布で包むのは免除してもらった経験があった。しかし、今回は書籍ダンボール二箱分とやや大きな荷物になるため、布で縫うためにはどのようにすればよいのか、インド人の知り合いに事前に聞いてみたが、大きな荷物を送ったことがないそうでわからなかった。とりあえず、不安を抱えたまま郵便局に行ってみると、やはり予想通り布での梱包を指示された。どうすればいいのか尋ねると、郵便局の外にいる、と言われ、出てみると門の外に「Parcel Stiching(ママ)is available here」と看板を掲げ、青空の下で足踏みミシンを踏んでいる人たちを見つけることができた。これまでは出勤途中など早朝に時間外窓口で郵便局を利用することが多かったため、このような商売が行われているのをみかけたことがなかったらしい。

郵便局ダンボールの調達にも一苦労したのだが、布での梱包以外にも、箱から、テープから、宛先を書く油性ペンまで、発送に必要なものは一揃い利用可能だった。

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メジャーで箱のサイズを測り、布の幅を決めると、ミシンで縫い上げ、最後の一辺は手縫いで仕上げていた。そして、仕上げには赤い封蝋でシーリングを施してくれた。宛先をダンボールに直接貼ってしまっていたので、手書きで布に書き直す必要があったのだが、ペンを貸してくれ、さらにそばにあった土管にビニールをかけてくれて「ここに座って書くといいよ」と言われた。宛名を書きながら商売の様子を眺めていると、郵便局関係だけでなく、マーケットの仕立て屋さんの店先で足踏みミシンを踏んでいるおじさんたちと同様に、ズボンのすそ上げなども引き受けていた。荷物ができあがると、窓口の隙間から入らないサイズの箱なので、勝手知ったる様子で箱を抱えて裏口へ案内してくれた。荷物の大きさなどにもよるのかもしれないが、2箱でしめて100ルピー(約200円)であった。

ちなみに、EMSでの送付には、身分証としてパスポートのコピー(顔写真のあるページと、発送元の住所がわかるページ。在住中でない場合には、誰か現地の知り合いに頼んだ方がよいかもしれない)が必要であり、各コピーに署名と電話番号を書く。また、窓口でもらうことのできる税関の申告書類に内容物の詳細と重さ、金額について明記することも必要である。EMSには追跡番号が発行されウェブで発送状況の確認ができるが、これまでの経験上、インド国外に発送されてからは日本宛の場合日本の郵便局のウェブサイトで確認した方がステイタスの更新が早く、確実である。

India Postウェブサイト
http://www.indiapost.gov.in/

脚 注


  1. National Book Trust, India, “Fair Directory : New Delhi World Book Fair 2015 14-22 February 2015 Pragati Maidan, New Delhi”
本稿の内容及び意見は執筆者個人に属し、日本貿易振興機構あるいはアジア経済研究所の公式意見を示すものではありません。