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中国外交部档案館における史料公開の現状

海外研究員レポート

中国

2011年12月発行
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近年、中国においても外交史料が徐々に公開されつつある。中国の代表的なアーカイブとしては、中国第一歴史档案館、中国第二歴史档案館、中国国家図書館をはじめとして、各地方档案館等があるが、中華人民共和国建国以降の外交史料に関しては、北京の中国外交部档案館が有用である。2004年1月に同档案館は、1949年の建国から1955年迄の時期の史料公開を開始した。また、2006年4月に、1956年から1960年迄の時期の史料、さらには2008年11月には、1961年から1965年迄の時期の史料を相次いで公開した。

現在、同档案館は、北京市内東部の朝陽門に位置する中国外交部南楼のなかにある。南楼入口でセキュリティー・チェックを受けた後、6階の閲覧室カウンターで手続きを行う。現状では、中国人民ならば、身分証明証さえ持参すれば、誰でも利用できる。また、外国人の場合は、所属単位の紹介状の提出とパスポートの提示が必要であるが、特に不備が無ければ、当日に手続きを済ませて利用することが可能となった。档案館開館当初は閲覧室が手狭であったため、外国人研究者が集中して訪れる夏季期間中等は列を作って順番を待つといった光景も見られたようだが、近年、外交部敷地内の新たな場所へ移転して、閲覧スペースも広くなり、コンピュータも増設されたことから、利用しやすくなってきている。

外交部史料の閲覧は、現物を手に取るのではなく、閲覧室用コンピュータにキーワードを入力して検索して、リストアップされた題名から選んで、クリックをして画面上に出てきたスキャンデータをその場で読むという方式である。必要に応じて、史料番号、国・地域別や時期等を絞って検索することも可能である。複写については、全ての史料がコピー可能というわけではない。現在の規定では、外交交渉に関する談話記録、電報をはじめ、毛沢東、劉少奇、周恩来、朱徳、鄧小平の直筆署名のある文書等の複写は禁じられている。但し、これらの規定は突然変更されることもあり、以前の規定では複写可能であったものが、現在は不可能となっているといったことがこれまで実際に起こっているようだ。

なお、同档案館の史料の所蔵状況や所蔵量等については未だ明らかにされておらず、全体像が見えにくいのは事実である。また、たとえ閲覧可能な史料であっても、検閲による黒塗りの箇所も散見される。勿論、このような閲覧上の制限はどこの国のアーカイブにおいても多かれ少なかれ存在する。だが、依然として政治上の制約が多い今日の中国では、より厳密な検閲が行われていることが容易に予想される。このため、公開された史料を通じて、どこまで中国外交に関して歴史的事実を見出すことができるかどうかという現実の問題はある。これについてはさらなる歴史家による検証が必要となるであろう。いずれにせよ、中国の外交史料の公開そのものは、最近のアジアにおける外交史料公開の潮流にもまさに合致するものであり、その姿勢自体は評価されるべきであろう。今後も中国における外交史料の公開が進み、さらなる進展があることを期待したい。 


          

中国外交部档案館 http://dag.fmprc.gov.cn/chn/
住所:北京市朝陽区朝陽門南大街2号・中国外交部南楼6階
開館時間: 月曜日~金曜日(金曜日は午前中のみ開館)
午前8:30~11:30 午後1:00~4:00
利用規定の詳細については「外交部档案館開放档案暫行办法」を参照


中国外交部
中国外交部
外交部南楼入口
外交部南楼入口
档案館閲覧室
档案館閲覧室


中国国家檔案局 http://www.saac.gov.cn/indexpage.do?method=goindexpage
中国第一歴史档案館 http://www.lsdag.cn/
中国第二歴史档案館 http://www.shac.net.cn/index.jsp
中国国家図書館 http://www.nlc.gov.cn/
北京市档案館 http://www.bjma.org.cn/Default.ycs