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援助の社会的影響  

経済協力シリーズ

No.172

平成5年度の調査研究事業「援助が途上国に及ぼす社会的影響」研究会の成果報告書。援助の批判でなく、援助をすでに存在している一つの現象としてとらえた上で、援助プロジェクトの現場で生起する出来事について観察・検討した。

■ 援助の社会的影響
佐藤 寛  編
■ 3,146円(本体価格 2,913円)
■ A5判
■ 228pp
■ 1994年9月30日

CONTENTS

まえがき / 佐藤 寛

第1節 「援助研究」の位置づけ
第2節 「開発の社会的側面」研究との関連
第3節 本書の構成

第I部 援助と社会の反応

第1節 「効果」と「影響」
第2節 量的アプローチと質的アプローチ
第3節 援助に伴う固有制と普遍性
第4節 受け入れ社会の反応
 1.基本的に受け入れられる場合
 2.部分的には受け入れられる場合
 3.受け入れないが積極的な拒否反応のない場合
 4.プロジェクトが受入れ社会とトラブルを引き起こす場合
第5節 検討されるべき課題
 1.対象集団の設定
 2.動機づけ(インセンティブ)
 3.「参加型プロジェクト」
 4.援助へのアクセス
 5.援助の吸収能力

はじめに
第1節 プロジェクトの概要
 1.プロジェクトの背景
 2.協力活動の概要
 3.ティナンゴール村の概況
第2節 各分野における活動と成果(effect)
 1.農業開発
 2.水資源開発
 3.保健衛生教育
第3節 プロジェクトの社会的影響(impact)
 1.モデル村をとりまく社会関係への影響
 2.モデル村内部の社会関係への影響
 3.既存の価値観への影響
第4節 考察
第5節 現地主義・現場主義の開発

第3章 保健医療援助における動機づけの問題-被援助側の動機づけとインセンティブ- / 清田 明宏

はじめに
第1節 イエメン結核対策プロジェクト
 1.プロジェクトの背景
 2.結核・結核対策とは
 3.イエメン結核対策プロジェクトの問題
 4.対策
 5.実際の現場での問題点
 6.イエメンの社会経済状況
第2節 イエメン結核対策プロジェクトにおける動機づけとインセンティブ
 1.動機づけの理論
 2.イエメン結核対策プロジェクトでの動機づけ・インセンティブ
   (イエメン結核対策プロジェクトで何を行ったか)
第3節 インセンティブの利点・問題点、考察
 1.インセンティブの利点
 2.インセンティブの問題点
 3.援助におけるインセンティブ

第4章 歴史的都市における「保全的開発」の考え方
    -イエメンの「サナア旧市街保全」にかかわる諸問題を通して- / 吉田 正二

第1節 中東都市の開発と保全
 1.石油と急激な開発
 2.歴史的都市保全の課題
第2節 サナア旧市街の保全
 1.サナア旧市街
 2.1970年代以降の変化
 3.サナア旧市街保全計画
第3節 援助と問題点
 1.旧市街保全計画の現状と問題点
 2.旧市街保全にかかわる援助供与国側の問題
 3.旧市街保全に関するイエメン側の問題点
 4.必要とされる対応策
第4節 都市開発の社会的影響と開発援助
 1.都市開発の社会的影響
 2.今後の国際協力のあり方
 3.保全的開発と文化

第1節 摩擦・軋轢を取り上げる意味
第2節 摩擦・軋轢をめぐる諸アクター
 1.現場での供与側と受入れ側間の摩擦・軋轢
 2.受入れ側の行政と住民の間の摩擦・軋轢
 3.受入れ社会内部に発生する摩擦・軋轢
第3節 摩擦・軋轢の具体的事例
 1.食糧無償援助
 2.食糧増産援助
 3.見返り資金(第2KR)
 4.援助物資のディストリビューション
第4節 受入れ社会の状況の対する理解

第II部 援助と社会文化的要因

はじめに
第1節 ガンビアの稲作プロジェクトと対象社会の相互関係
 1.プロジェクト導入以前の社会文化的特徴
 2.灌漑稲作プロジェクト
 3.契約農業プロジェクト
第2節 結論
 1.ガンビアの事例の問題点
 2.社会文化的要因を考慮に入れる意義

はじめに
第1節 フィリピンの灌漑システム
第2節 アパンギン小規模灌漑システムの概要
 1.バガク市の概要
 2.アパンギンCISの概要
第3節 アパンギンCISの問題点
 1.建設費返済の遅れ
 2.不公正な水配分と下流部の水不足、水利費の不払い
 3.水利組合集会への低い参加率
 4.共同作業への低い参加率
 5.水争いおよび組合間の管理調整のむずかしさ
 6.兼業農家の広がり
第4節 フィリピン社会における人間関係と集団組織のあり方
 1.フィリピン社会の人間関係
 2.フィリピン社会における上下のネットワークと「恩」
 3.フィリピン社会における集団組織
第5節 アパンギンCISの問題の考察
おわりに
第3節 アパンギンCISの問題点

はじめに
第1節 ジェンダー(gender)とは
第2節 従来の開発政策の問題点
第3節 開発政策における女性への政策的アプローチ
 1.分類
 2.「女性に配慮する」ことの多義性
むすび

第1節 文化人類学は、どうして「地域開発」に欠くことができないか
第2節 個別社会の内在性
第3節 土着の知識体系:民族科学
第4節 生きがいを支える装置
第5節 地域社会に根ざした「開発援助」を