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持続可能な生産と消費——パーム油のサプライチェーンと人権——

2030年に向けた国際的合意であるSDGs(持続可能な開発目標)は貧困削減、環境保全などをめぐる17のゴールを有していますが、そのゴール12に「持続可能な生産と消費」が掲げられています。このゴール達成のためには途上国と先進国をつなぐ一次産品、加工原料、部品、製品などのサプライチェーンを環境、社会の両面から見直す必要があります。

例えば価格の安さ、加工のしやすさから現在のコンビニ商品の半分以上に使われているとされるパーム油は、熱帯地方に生育するアブラヤシ(オイルパーム)を原料としますが、アブラヤシ栽培のための熱帯雨林の伐採による環境破壊が懸念され、また二大生産国マレーシア・インドネシアではプランテーションで働く移民労働者の人権問題も指摘されています。

しかしながら、パーム油は農園での生産、収穫後の搾油、精製を経て原料油となり、それがさらに加工されてチョコレート、化粧品、洗剤などに至るという具合にサプライチェーンが長く、単に最終製品のメーカーが自社の調達方針を策定するだけでは問題は解決しません。また、最終製品の消費者が「パーム油」を意識することも少ない(品質表示にも明記されることは少ない)ので社会的な関心も高まりにくいです。

パーム油に限らず「持続可能なサプライチェーン」を達成するためには企業の努力が不可欠でありますが、それに加えて消費者、政府、市民団体等様々なアクターが情報を共有し、共に対策を講じていく必要があります。

本セミナーでは、パーム油のサプライチェーンと人権に焦点を当てながら、様々なアクター(オイルパーム生産者、加工者、メーカー、消費者)の抱える問題点と今後の課題について考える機会とします。

皆様のご参加をお待ちしています。

開催日時

2016年11月29日 (火曜) 15時00分~17時30分 (開場:14時30分)

会場

ジェトロ本部5階 ABCD会議室
(東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル5階)
最寄り駅:東京メトロ 南北線六本木一丁目駅・銀座線溜池山王駅・日比谷線神谷町駅

プログラム

(予定)

15:00~15:05 趣旨説明
佐藤寛 (新領域研究センター 上席主任調査研究員)
15:05~15:20 講演1 「持続可能なサプライチェーンと人権(仮)」
山田美和 (新領域研究センター 法・制度研究グループ研究員)
15:20~15:35 講演2 「パーム油と私たちの生活のつながり(仮)」
飯沼佐代子 氏(地球・人間環境フォーラム)
15:35~15:50 講演3 「生活用品企業とパーム油調達(仮)」
田中秀輝 氏(花王株式会社 執行役員購買部門統括)
15:50~16:05 講演4 「食品企業とパーム油調達(仮)」
中尾洋三 氏(味の素株式会社 グローバルコミュニケーション部PR・CSRグループ シニアマネージャー)
16:05~16:20 講演5 「生物多様性保全とRSPO認証」
代島裕世 氏(サラヤ株式会社 取締役 コミュニケーション本部 本部長)
16:20~16:35 休憩
16:35~17:25 パネル討論「パーム油と人権、各アクターの役割」
<モデレーター>
  • 佐藤寛
<パネリスト>
  • 山田美和
  • 飯沼佐代子 氏
  • 田中秀輝 氏
  • 中尾洋三 氏
  • 代島裕世 氏
17:25~17:30 閉会挨拶
佐藤寛
使用言語

日本語

主催

ジェトロ・アジア経済研究所

参加費

無料

※ 取材のため会場内にメディアのカメラや撮影チームが入る可能性もありますのでご了承ください。

お問い合わせ先
ジェトロ・アジア経済研究所 研究支援部成果普及課
Tel:043-299-9536 Fax: 043-299-9722
E-mail:seminar E-mail