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専門講座

混迷する南アラビア情勢 —イエメンを中心に—

2011年の「アラブの春」で政権が転覆した国々は、当時の「民衆革命」の期待とは裏腹に国家再建のための苦難の道筋をたどっています。リビアは混乱のさなかにあり、エジプトは再び軍事政権となりつつ安定への道を模索しています。シリアにおける内戦の長期化は、いわゆる「イスラミック・ステート(IS)」の台頭の温床となっています。イエメンでは平和的な政権交代が達成され、湾岸協力会議(GCC)と国連の仲介による「移行過程」を曲がりなりにもたどってきました。

しかしながら、2014年秋の「ホーシー派」勢力のサナア制圧(必ずしも軍事制圧とは言い切れず、暫定政権との間の「平和合意」が締結されています。)以来、ハーディー暫定大統領の統治力はさらに弱体化し、南部分離勢力、アラビア半島のアルカーイダ(AQAP)などが、それぞれの支配地域を拡大する混乱状態に陥っています。イエメンを含む南アラビア情勢は、我が国のエネルギー安全保障上も無視できない影響を持つだけでなく、東アラブ(シリア・イラク)情勢、北アフリカ情勢と連動してさらなる中東地域の混乱を招きかねません。

このような南アラビア情勢に関して、これまでの経緯と現状を整理するとともに今回の混乱の社会的・文化的背景、さらに、現在のアラブ・イスラム地域を取り巻く政治情勢の中でのイエメンの現状が表している意味などについて解説を行ない、南アラビア地域全般の現状分析と今後の展望を試みるため専門講座を開催します。

開催日時

2015年6月3日 (水曜) 13時30分~16時45分(開場:13時00分)

会場

ジェトロ本部5階ABCD会議室
(東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル5階)
最寄り駅:東京メトロ 南北線六本木一丁目駅・銀座線溜池山王駅・日比谷線神谷町駅

プログラム
時間 内容
13:30~13:40 はじめに(趣旨・背景説明)
  佐藤 寛 (ジェトロ・アジア経済研究所研究企画部上席主任調査研究員)
13:40~14:20 講演 I 「イエメン混乱の社会・文化的背景」
 Daniel Varisco(カタール大学教授、全米イエメン学会会長)
14:20~15:00 講演 II 「移行期間は完了するのか~「アラブの春」後の背景~」
 佐藤 寛
休 憩
15:15~15:55 講演 III 「苦悩するイエメン移行プロセス~アラブの春から今日までの経緯~」(仮)
  川嶋 淳司(放送大学非常勤講師)
15:55~16:45 意見交換と質疑応答
使用言語

日本語、英語(日英同時通訳)

主催

ジェトロ・アジア経済研究所

参加費

無料

※ 取材のため会場内にメディアのカメラや撮影チームが入る可能性もありますのでご了承ください。

お問い合わせ先
ジェトロ・アジア経済研究所 研究支援部成果普及課
Tel:043-299-9536 Fax: 043-299-9722
E-mail:seminar E-mail