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図書館

2006年度第2回途上国理解市民フォーラム開催報告

ケニア -スラムってどんなところ?-




開催日時
2006年9月7日 (木曜) 14時00分~16時00分

会場
アジア経済研究所 C21会議室  
千葉市美浜区若葉3-2-2

講師
津田 みわ(ジェトロ・アジア経済研究所 新領域研究センター 国際関係・紛争研究グループ)





2006年度第2回市民フォーラムはケニアの「スラム」について。

講師の津田研究員は、海外派遣員として1994~96年の2年間のケニアで暮らした経験があり、その当時「カワングワレ」という土地に住む現地の友人宅に同居していたそうだが、行ってみたらそこはスラムだったのだそうだ。今回はそのときの実体験と、知人のつてで最近訪問した「キベラ」というもうひとつのスラムでの暮らしぶりについての貴重なお話を聞くことができた。

「スラム」という単語は聞いたことがあっても、フォーラムに参加する前には漠然としたイメージしか持っていなかった。そのうえ、日本に住んでいてはそこに暮らす人々を意識することも少ないだろう。おそらく市民の皆様の多くも同じような状態で参加されたのではないだろうか。そのような私たちのために、スラムの内部に入る前に少しウォーミングアップをということで、VTRをみながら、まずはケニアについての説明から講演は始まった。

牧畜をする人々、魚が豊富に捕れる大きな湖、首都のビジネスマン、通勤ラッシュの満員バス・・・。アフリカでも赤道直下に位置するケニアは、陽炎の立ちのぼる暑い地域もあるが、首都:ナイロビは高原地帯にあるため標高が高く、気温は17度程度と案外涼しいそうだ。なるほど、VTRの中でも首都の人々は長袖の服を着ていた。

さて、いよいよ今回の本題、スラムについて。

まずはその定義だが、低所得者の居住地区の通称であり、主な住民は農村からナイロビに職を求めてやってきた人々である。元々は公園や空き地だった「非居住用」の公用地に人々が勝手に入り込み不法占拠して暮らし始めたのが今に至るそうだ。不法占拠なので正確な統計はわからないが、そのひとつであるキベラの人口密度は1km2あたりおよそ5万人ともいわれているそうだ。参考までに、東京都の区部の人口密度が1万3722人/1km2(2006年8月現在)である。東京の場合には多くの高層マンションがあることを考えると、スラムの混雑ぶりが想像できるであろう。

前述の通り、スラムは行政にとっては「非居住用」の地域であるため、番地もなく、よって郵便も届かない。電気、上下水道などの行政サービスも行き届いていないため、街灯もなく、日が落ちるとあたりは真っ暗。下水がないため地面には汚水がたまり、雨が降るとくるぶしまでつかるくらいにぬかるむ道・・・。

しかしその一方で、住居の内部に入るとさまざまな清潔を保つ工夫がこらされており、ソファがあったり、テーブルには白いクロスがかけられているなど、意外に住みよさそうな雰囲気に驚いた。

そのほかにも水の確保や炊事について、厳しい収支の話など、写真入りで説明があったが、詳しくはぜひレジュメpdfをご参照いただきたい。 スラムには都市部のベッドタウンという一面もあり、職を求めている人々だけでなく、正職員としてナイロビで働く人も多く住んでおり、一人一台自家用車を所有していたり、共働きでメイドのいる家もあるなど、スラムの中にも格差があるということに非常に驚かされた。

なかなか入ることのできないスラムの内部の写真がふんだんに盛り込まれたプレゼンテーションと、実体験に基づいた具体的なお話のおかげで、終了後にはスラム生活を以前より身近に感じることができた。

しかし、やはり行政サービスの行き届かない環境での暮らしには困難な面も多く、質疑応答では、解決のための政府の対応、教育、産業などについての質問や、今後の発展を願う声が上がっていた。